lilac 2 (ページ21)

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空が綺麗だったからページ21

○JAEHYUN

「おはようございます」

『おはよ、体調はどう？』

「今は多分、元気です」

『活動もお疲れさま』

ブロンドから、元々の明るい栗色が少しだけ見えている。舞台に立つAだけを見ている人は、見ることのない緩んだ顔。2日くらい休みがあるのだと話していたスケジュールは変更になって、すぐにまたこっちの活動が始まる。瞼の下の薄い隈をなぞれば、くすぐったいと目が細まる。

『喉は？大丈夫？』

「一応、昨日点滴したし薬も飲んだから」

『泣かなかった？』

「…わたしのこと何歳だと思ってるんですか」

『注射嫌いって言ってたじゃん』

ドヨンイヒョンがずっとそわそわしていた日、途中から見ていたからよくわからなかったけど、Aを抱えて戻ってきたヘチャンが、部屋からたくさん何かを持ってきたヒョンを呼び止めた。

「俺もう行かなきゃ、マネヒョンとすれ違ったの」

「俺が一緒に行くから大丈夫。気を付けてね」

「ヘチャナ、」

なんて言ったら良いのかわからないけど、普段のAからは聞くことのなさそうな声で、ヘチャンを呼び止めて、話そうとすれば苦しそうに咳をする。ヘチャンは喋んない方が良いよと髪を撫でて、待ってるからと玄関に走って行く。

「A、これは歌う前に喉にするの。これは後で車の中で食べよう、荷物はジェノが持ってきてくれたから」

「…ジェノは、」

「大丈夫。後で会えるしAも間に合う」

病院から帰ってきたドヨンイヒョンは急いでテレビを付けて、手を合わせて画面を見ていた。テヨンイヒョンのことを過保護すぎなんて言ってるけど、このヒョンだって…いや、俺たち、Aのお兄さんたちは、Aが思ってる以上に、Aのことが大切なんだと思う。もちろん俺も。

「確かに注射は怖いけど、昨日はその、かなり眠くて」

「寝てたら終わったの？」

「うん、少し恥ずかしいけど」

点滴すると痣みたいになって少し嫌ですねと滲んだ青色をなぞるから、その上から上着を乗せる。手を握れば、顔がこっちを向いた。