lilac 2 (ページ2)

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『…っていうのをこの前思い出したんだけど』

「それで？」

「リラが覚えてるか気になるんだって」

コメントに「リラは？」って見えたから、最近ずっと気になっていた話をしてみたけど、前にそれを話したロンジュンは少しだけ呆れていて、あとの2人はこっちをじっと見ている。

『…なに？』

「なんでもない」

「なんでもないけど、ちょっとムカつく」

『ムカつく！？』

「一緒に連れて行ってくれたら良かったのに」

「Aも俺たちに会いたかっただろうし、ね？」

「ね〜」

ね〜と言ったジェノの顔は全然笑ってなかったけど、ちょうど良いタイミングでドアが開いて、遅れてすみません〜とAがカメラに映る。ひらひら手を振っているうちにジェノが間を空けて、画面に全員が揃った。

「リラにも聞いてみてってコメント来てるけど、何の話？」

『あ、それはもう終わった』

「なんにも終わってないよ」

「なに……約束？」

『あ！』

大きな声を出したから、Aの肩が揺れる。びっくりしたとこっちを向いて、シャンプーの匂いがした。

「A、ヘチャニとの約束覚えてる？」

「ああ、覚えてるよ」

当たり前のように答えるから、こっちがびっくりしてしまった。そんな、昨日の夜ご飯を答えるみたいに簡単に？今言ったら怒られるから言わないけど、俺は少しだけ、忘れてたのに？

ライブが終わって、椅子に寄り掛かって瞬きをぱちぱちとする。ご飯食べに行こと手を握られていたのには、立ち上がってから気付いた。そのまま椅子に逆戻りして、ふわりと欠伸をするAを見ていた。

「……なに？」

『本当に覚えてたの』

「覚えてたよ、針千本飲まなくて良かった」

『なにそれ？』

「約束破ったら飲まなきゃなんだよ、ユタオッパが言ってた」

辛くないもの食べようと手を引っ張られて、なんだか納得行かなかったから、エレベーターに乗った瞬間にこっちから引っ張って、顔が近くなる。そのまま小指を絡めて、親指を合わせた。

『一緒にいて、ずっと』

「新しい約束？」

『針千本飲みたくなかったら、約束破らないで』

「痛いのは嫌だね」

瞬きをして、自分だけを映していた。だからエレベーターが止まったことにも、そこにマクヒョンがいたことにも、ヒョンが大きな声を出してから気付いたし、Aはいつの間にかマクヒョンの後ろでにっこり笑っていたから、そのまま2人に飛び付いた。