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夢とエンドロールページ1

○HAECHAN

はじめは、小さな部屋でピアノを弾いていたとき。ジャニヒョンの後ろにくっ付いていた子だと分かったのは、マクヒョンがいつもいる練習室をノックせずに開けたら、その子が目を丸くしてこっちを向いたときだった。

「わ、だ、だれ？」

『イドンヒョク、名前なんていうの？』

「えっと、パクA」

『あ！もしかして同い年の子？』

「あ、2000年生まれ、です」

『やっぱり！よろしく！』

伸ばした手がなかなか握られないから、ぎゅっと握りしめていたちっちゃい手に触れる。同い年の女の子がいるよと聞いてから、ずっと話してみたかった。ピアノで弾いていた曲が、自分も好きな歌だったから。

『マクヒョンと仲良いの？』

「少しだけ」

『俺とも友達になって！』

「お？ドンヒョガ？」

ペットボトルを2本持ったマクヒョンがこっちを見てから目をまん丸にして、Aはパタパタとそっちに走って行く。知り合いだったの？と言うのに首をぶんぶん振ってたけど、これから仲良くなればいい話だし。だってなんだか、この2とはずっと一緒にいる気がする。根拠はないけど、そう思ったから。

Aは大体勉強室か、あの練習室にいた。小さな声で英語を唱えていた時はびっくりしたけど、練習一緒にしようと言えば本を閉じてくれた。ジャニヒョンがAを迎えに来るまでたくさん歌って、たくさん踊って、また明日ねって手を振ってバイバイする。

マクヒョンたちと活動するようになって、その中にはAもいた。いつの間にかジェノたちと仲良くなってたけど、あの部屋に行けばAがいる。髪色が変わっても、少しだけ痩せた気がしていても、チソンにいつもどこに行ってるの？と聞かれても、内緒だよと誤魔化してでも、そこに向かう足が、近付くにつれて早足になっていることに気付いていても、Aはにこりと笑ってこっちを見ていた。

『デビューしたいな、Aと』

2人でソファーにもたれたまま、自然と口から出た言葉に1番自分がびっくりしていたし、慌ててAの方を向いたら、目を閉じていたから顔の前で手を振ってみる。そのまま前髪に触れたら、ゆっくり目が開いた。

「そんなに優しい世界かなあ」

『嫌なの？』

「嫌じゃないけど、皆も一緒がいい」

約束ねと、今度はAからゆっくり伸びてきた手を取って、親指と小指を合わせた。叶わない約束をした、つもりだった。