07 ページ9
降谷 零side
あの家にはあまり帰りたくなかった。
義理の父親は糞みたいに屑だし……(だがボクシングや勉強面、生活面に関しては、まぁ……)。
貯めた金で家を買って、それなりに、いや、ハードな生活を送っていた。
そういえば最近家の調子はどうなのだろう。
彼奴は潔癖症なのか意外と、いや、かなり綺麗だ。
それに体調面も気になる。
ぽっくりと知らぬ間に死なれていても困るしな。
だから久々に帰ることにした。
「……久しぶりだな……」
そうして家に入ると、
「!?……は？」
埃を被っていた。
何処を見回しても、埃だらけ。
生活感がまるでない。
おかしい。
「……あいつは、あいつは何処に行った!?」
柄にもなく焦る。
近所の文世さんと藤さんに聞くと、
「しりましぇんなぁ……なぁ藤さん？」
「えぇ、えぇ。最近は見とりましぇんでぇ。所であんたぁ、零くんかえ？」
「え、えぇ、はい」
「久しぶりやなぁ。大きくなって！」
文世さんと藤さんの話を無理矢理切って、思い当たる人物に話を聞いた。
もちろん、降谷家の屑共にも。
むかついたのは、あの浅葱 舞とか言うババァが特に。
「私が育ててあげるつもりだったのに、Aさんと来たらぁ……(シクシク」
ふざけるなよ。
兎に角何処にも彼は居なかった。
「はぁっ、はぁっ、一体何処に……」
次は右腕の風見に電話をかける。
『はい？』
「風見、俺の父親にあたる、降谷 Aという人物を探してくれ」
『……わかりました!!』
不安が積もり終わった頃、また携帯が鳴る。
『やっと出たわね。何回もかけてたのよ』
相手はベルモットだった。
「ああ、すいません。それでなんですか？」
すぐさま安室 透の人格へと切り替える。
『組んで欲しい人物がいるの。じゃあ、三十分後、あの場所でね』
一方的に切られたが問題無い。
早く向かわなければ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 36人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ランコ | 作成日時：2018年12月22日 15時
