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──もしかしたら、彼奴は警察官になりたいのかもしれない。
それに気づいたのは、とうの昔だが。
まあ、はっきりとしたのは、彼奴に付けている盗聴器でだが。
──『ヒロ、俺は……になり……い』
「…あんだって?」
──『そうか。じゃあ、俺と警察…になろう!』
あー、そういう事ね。ショック。
俺と同じ所まで引きずってやろうと思ったのに……。
まぁ、俺が彼奴の人生決めるのは、面白くないのは確かだ。
「へぇ……抗ってみろよ、糞餓鬼が……」
お前がどこまで出来るのか、見ててやる。
もちろん、上からな。
だから、その時は……
そう思った所で、玄関の扉が開いた。
「……」
相変わらず、ただいま、も無いのか。
最近の若者はこれだから……。
ところで……
「お前、大学行くのか?」
おそらくあの話をしていたとすると、高卒で士官学校行くのか、それとも大学出てからか?
「……行く」
「(なる程なぁ)」
彼奴ももう高校三年だし、女に興味はあるのだろうか?それとも顔がいいぜ〜げへへへへ、と言ってるのか(つまり余裕ぶっこいてる)……。
「(ま、そんなのどうでもいが、女遊びはたいがいにしろよ〜)」
そこで俺は家を出た。
行き先はボクシング場だ。
「おう餓鬼、お前明日からボクシング行けよ」
「……あぁ……はっ!!!???」
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作者名:ランコ | 作成日時:2018年12月22日 15時