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彼奴も、もうすぐ中学。
家事も一通り出来るようになり、やっと使える野郎になってきた、という所だ。

最近わかった事だが、此奴は何故か正義感というものが強いらしい。

見た目で虐められる奴を見ると、真っ先に飛び出したりと、まぁ何かと怪我をする事が多い。

しかし不思議だ。
何故此奴、一人で手当て出来てんの?

不思議でたまらない。
あれか、親友の奴か?

まぁ、ともあれ此奴も一人で手当て出来るようにしないとな。
俺がするのも面倒だし。

「おー、あったあった」

手にあるのはテスト。
此奴はやはり俺の教育が良いのか、いつも百点代だ。流石俺。

「今日は……百点かー……」

じっくり眺めていると、扉が開く。

あ……

餓鬼じゃん。

一人で自己完結していると、ハッと我を取り戻した餓鬼は、鬼の表層で、

「な、何してんだ!!!」

そう言った。
もう反抗期かなぁ……?

〔ニヤリ〕

「おいおい、親にテスト見せないとか、非常識だなぁ??ん?」

「っ……今更親気取りか?気持ち悪い。いい加減にしてくれ」

〔キョトン〕

あ、あー、なる程な。
今までの教育が悪かったらしい。
親が俺ですということを言い忘れていた。

ま、今更親名乗る気ないけどな!
あはははは〜

「あ?此処まで育ててやったんだ、少しは感謝しろ、糞餓鬼」

「……っ……」

言い返せない。だから悔しい。
その思いがひしひし伝わる。

「(嗚呼、知ってる感覚だ)」





──『なんで、お前が!!』

──『悪いね、仕事なもんで』

──『この、クズめ』

──『……』

──『此処まで育ててやったんだ、感謝の一つは、したらどうだ!?』

──『…っ……俺は……』





「ふ、ぇ」

「…?…お、い…」

「ふ、ふへ、ふははははははは!!」

大きく反って笑う。
大声で笑う。

可笑しい、可笑しい、可笑しい。
笑いがこみ上げる。
こみ上げ続ける。

「なんだよ……」

「あ?なんでもねぇよ。それより、今後テストは見せろ。いいな?」

「……わかった」

あいつは少し顔を歪ませて、頷いた。

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作者名:ランコ | 作成日時:2018年12月22日 15時

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