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午後6時頃。
「…やべ」
彼奴の飯を作るの忘れた。
これは彼奴飢えるな。
そんな呑気な事を考えながら、運転を開始。
プリントには昼前に帰宅と書いてあった。
つまり、もう六時間以上経っている。
なのに今気づいたのはしょうがない。大人の事情というやつだ。
「おーい、もう帰っていいか?」
電話で仕事仲間に声をかけると、OKと発音の良い言葉で返された。
早く帰ってやらないと。彼奴料理壊滅的だし。
そんな心の隅で心配(笑)をしながら、車を飛ばした。
「おーい……って、寝てんのかよ……」
布団も被らず丸まって寝ている餓鬼。
相変わらずの無愛想。
「もしも、お前が……愛想の良い奴だったら、良い暮らしってやつが出来なのにな……」
頭を撫でてやる。
こんな真っ黒な俺に育てられずとも、お前は……
───十分正義感が強いよ。
なぁ?だからお前は……
「俺に銃を向けてんだろ?」
「っ………!!」
リロードをする音が、響く。
餓鬼は、憎たらしい程澄んだその蒼い瞳を、涙で揺らして、此方を睨みつける。
「ははっ」
乾いた笑い声が出た。
両者とも、油断はしないし、隙も見せない。
「何故なんだ……なんであなたが!?」
「……なぁ、餓鬼よ。知ってるか?お前の両親はなぁ、俺が……『殺したんだよ』」
「っ……それは、詳しく聞かせて貰おう。あなたを倒した後でなぁ!?」
銃を構えるのを止め、勢いよく距離を詰める。
目の前まで来た所で、鋭く速い拳を突きつけられた。
が、それは虚しく。
静かに止められる。
「!?な、ぜ…」
「……はは、寝とけよ」
そこで降谷 零の意識は無くなった。
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作者名：ランコ | 作成日時：2018年12月22日 15時
