【名探偵コナン】罪滅ぼし (ページ14)

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降谷 Aside

どこか、底のない穴に落とされた気分だ。

目を開けても真っ暗闇で、どこが底で、壁なのかすらわからない。

手探り状態だが、まだここがどこなのか、わからない。

「零、零……」

助けて

そう助けを呼ぶのは、図々しいのは理解している。でも、あいつに縋っている自分に甘えてるのも知ってる。

「ろくな人生じゃなかったな……」

両親に暴力を振るわれ、零を大切にする事も出来ず、挙げ句の果てに、犯罪者。

「俺が選んだ道なのに……」

──『A!』

──『忘れるな。昔に戻りたいと思ってはいけないと。今を大切にするために』

──『逃げろ!!!』

今までの大切な思い出が、次々と出て来ては、消えていく。

そうしていくうちに、心が軽くなっていく。

でも、どこか、空っぽになっていく。

何も面白いと感じない。
感動も、何もかも。

「ぁ、ぁぁ」

神様って奴は残酷だ。
だって、何もかも忘れて、俺を『消す』のだから。