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降谷 零side
「……」
俺は絶望した。
俺の事も、今までの事も忘れられたのだと知ってしまったから。
何故か、感情がストンと落ちてしまったような、不思議な感覚。
ああ、これが、
「絶望を通り越したものか……」
自分を守るために脳が防衛本能を出したのだ。
もう涙も出ない。
「……あの、あなたの名前は?」
「俺は、名前が無い。好きに呼べ」
「……では、一、と呼ばせていただきます」
「ああ」
仕事内容はターゲットからある情報を聞き出す事、それとパソコンのデータ回収で、ターゲットは殺しても構わないらしい。
今度のターゲット、藤澤の息子の結婚パーティーに潜入で決まる。
「相手は男……それも既に結婚をしている……」
「男にでも色仕掛けか?」
「最終手段ですけどね……」
メイン作戦
バーボンが藤澤を酒で酔わせ、休むという理由でとある一室に駆け込み、吐かせる。
その間一はパソコンのデータ回収に向かう。
作戦A
薬を打ち込んで、無理矢理吐かせる
その間一はパソコンを回収。
作戦B
「これは……」
「……しゃあねねぇ、ゆっくり吐かせれば良いだけだろう。パソコンはこっちに任せろ」
「わかりました。その一室は……」
より細かく、精密に作戦を練り上げ、任務を進めていく。
ここでわかったのは、彼は『殺しなれている』
「(……しかし何故、親父は組織に……?)」
いくら両親を殺した理由を知ったとしても、彼の生い立ちまでは知らない。干渉出来なかったのだ。
もしかしたら、俺の生活費はここから稼いでいたのだろうか……。
いや、きっとそうだ。
「……では一、開始します」
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作者名:ランコ | 作成日時:2018年12月22日 15時