カラフル (ページ2)

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増田家の朝ページ2

貴久Side

「…おはよ…」

朝メシを作っていると、シゲが眠そうに起きてきた。

小山のところと同じく、社会人の兄と小1の弟との二人暮らしだが、家は小山の家とは違って両親は既に他界している。

小学生になったので、シゲには自分で起きるよう言った。

それでも遅刻しそうな時は起こしてあげるんだけどね。

小山にその話をしたら、寝起きが可愛いのにと力説されたけど、俺としては今のうちから躾けておきたい。

「おはよう。
もうすぐ朝メシできるから、顔洗ってきな。」

顔を洗って目が覚めたみたいで、シゲはさっきよりもシャッキリした顔で戻ってきた。

「いただきます。」

二人揃って、いただきますをする。

「シゲ、学校は楽しい？」

人見知りなシゲだから、新しい環境に慣れることができるかヒヤヒヤしている。

「うーん…お勉強は楽しいよ！
でも、体育はそんなに…祐みたいに上手にできないもん。」

シゲ、勉強は好きだし得意みたいだけど、むちゃくちゃ運動神経が悪いからな。

俺としては、信じられないけど。

似てなすぎて、血の繋がりを疑うレベルだ。

「そっか。兄ちゃんは逆だったなぁ。」

「えー、絶対お勉強の方が楽しいのに！」

なんて和やかにご飯を食べていると、隣からバタバタと騒がしい物音が聞こえてくる。

ここは1階だし、小山の部屋は端で隣に俺らしかいないから、騒がしくしてもいいっちゃいいんだけど、小山も大変だなと思う。

「祐、何してんのかな？」

不思議そうに首を傾げているシゲが、とても可愛い。

朝メシが終わると、今度は身支度をする。

しっかりしていて何でも一人でやりたがるシゲだけど、まだ1年生、後ろの寝癖に気が付いていない。

身支度をすべて終えた気になってテレビを付けたシゲを、呼び寄せる。

「シゲ、残念ながら寝癖ついてるよ？」

鏡で見せてやると、完璧だと思っていたシゲはショックを受けたみたいで恥ずかしそうにした。

そこまで1人で出来たらスゴいと思うんだけどね。

「直してやるからこっちにおいで。」

直してあげてる間も悔しそうにしてるから可愛い。

「よし、完璧！」

「ありがと！今度、シゲも1人でやる！」

「頑張れ。」

シゲ、よっぽど悔しかったんだな。

本人には悪いが、本当に可愛い。

家を出る時間までテレビを見ていると、小山の断末魔が聞こえてきた。

どうせまた、イタズラされたんだろう。

「祐、大丈夫かなぁ？」

大丈夫じゃないのはたぶん小山の方だ。