5話 ページ7
昼休みーー
フロイド「アカハタちゃん。小エビちゃん知らね〜？」
食堂で昼食を摂っていた私を覗き込むフロイド先輩。
今日は機嫌がいいのか、やけにニコニコしている。
玻璃「知りません。自分達はいつも一緒に
いる訳じゃないので。」
そう答えると、何故か私の向かいの席を陣取る先輩。
玻璃「、、、愛海のこと探してたんじゃないんですか」
フロイド「ん〜？気分変わった〜。」
今はアカハタちゃんを見てたい気分！なんて
こてんと首をかしげる。
言っておくが、180越えの男が首を傾げても
可愛くない。むしろちょっと、いや、かなりきつい。
玻璃「ていうか、自分は何でアカハタなんですか？」
とはいっても、話すことも特になくて前々からの
疑問をぶつけてみる。
フロイド「ん〜？アカハタって、オレらが住んでたトコ
みたいな寒い所には居ないんだよね〜。」
しかし、返ってきたのはよく分からない返事だけ。
煮え切らない私の態度を察したのか、フロイド先輩が
言葉を続ける。
フロイド「あとさ〜、アカハタって生まれはメスだけど
途中からオスになんの。しゆーどーたいってヤツ？」
玻璃「ｯ、、、雌雄同体、ですか。」
思わぬところで核心をつかれて顔が
引き攣るのが分かる。
天才肌は伊達じゃないらしい。
フロイド「そ〜そ〜！何か〜、アカハタちゃんの
居場所って、ここじゃないよね〜。」
ヘラヘラと笑って放たれた言葉は思ったより
心に刺さって。
それは多分。心当たりがあるからだ。
玻璃「やっぱり、そう見えますか？」
そう呟いた時。
愛海「あ〜！フロイド先輩！！」
廊下の向こうから駆けてきたのは、見なくてもわかる。
愛海だ。
その証拠に目の前の彼の瞳がキラキラと輝いている。
これは、お暇した方がいいかもしれない。
そっと音を立てないように席を立つ。
食堂を出る前に見たのは、さっきまで私が座っていた席に座って微笑む愛海だった。
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作者名：楪 | 作成日時：2022年4月30日 13時
