真実の愛は海の底に (ページ6)

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4話ページ6

次の日ーー

デュース「おはよう、玻璃。今日は一人なのか？」

そう声をかけてきたのは、涼やかな顔立ちの美青年。
もとい、デュースだ。

玻璃「うん。デュースこそエースと居ないの珍しいね」

そう答えれば、少し不満そうな顔をする彼。

優等生らしい表情から時折除くこの顔が好きだなんて
言ったら、彼はきっと怒るやら恥ずかしがるやらで
大変な事になるのだろう。

デュース「それにしても玻璃、お前顔色悪いぞ。」

そんなことを考え、ボーッと歩いていると
こちらを覗き込んできたピーコックグリーンの瞳と
視線がかち合った。

デュース「家事もバイトも全部玻璃がしていると
聞いたぞ。玻璃が監督生なのは知っているが、
無理は禁物だからな。」

そう言い、私の額に手を当てるデュース。
熱は無いな、、、と小さく呟いている。

玻璃「大丈夫だよ、デュース。愛海には求心力がある。
それを今存分に活かしてもらわないと
今後困るのは自分たちだから。」

そう。オーバーブロットの時に痛感したのだ。
力も金も権力もない私達は誰かに助けてもらわないと
生きていけない。

それならば、愛海を利用してでもこの地で
生き残らなければならないのだ。

だから、愛海には存分に働いてもらう。
私には無い、人を惹きつけるその魅力を使って。

デュース「玻璃。僕は難しいことは分からないが、
何かあったら必ず相談してくれ。僕達はマブだろ。」

そう言って微笑んだデュースは、やっぱり眩しい。
私には、勿体ない友達(・・・・・・)だよ。

玻璃「ありがとう、デュース。」

青い髪から覗く、ほのかに色づいた耳。
私は、なんて狡いのだろう。