真実の愛は海の底に (ページ4)

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2話ページ4

放課後ーー

リドル「すまない、監督生。
聞きたいことがあるのだけれど、、。」

声をかけられ振り返ると、そこにいたのは
ハーツラビュルの寮長、リドル先輩だった。

玻璃「どうしたんですか？」

一応答えるが、彼がこんなふうに
私に話しかけるということは
考えられる要件はただ1つ。愛海の事だろう。

リドル「いや、あの、、それがだね、、、。」

いまいち要領を得ない彼に仕方なく
口を開く。

玻璃「愛海なら、グリムとエーデュースと4人で
補習中です。要件なら直接本人にどうぞ。」

そう告げると、大きな瞳を零れ落ちんばかりに
見開く彼。

リドル「な、なんで、愛海のことだと、、、。」

貴方の態度が分かりやすすぎるんですよ、と思いつつも
なんででしょうね、とだけ伝えておく。

すると、そうか、、、とリドル先輩が小さく頷いた。

リドル「今度、トレイに教えて貰ってブルーベリーのタルトを作る予定なんだ。確か、愛海も好きだと言っていた筈だからね。」

そう言って渡されたのは可愛らしい装飾が施された
招待状だった。

きっと、リドル先輩が作ったタルトを囲んで小さな
パーティーでも開くつもりなのだろう、愛海のために。

玻璃「わかりました、愛海に渡しておきますね。」

そう言い、お辞儀をして教室から出る。

明後日は、愛海の誕生日。

愛海は誰にも祝って貰えない悲しみを
味わわずに済みそうだな、なんて小さく呟き
可愛らしい招待状を握りしめた。