検索窓
今日:15 hit、昨日:7 hit、合計:360 hit

20話 ページ22

目を覚ますと、そこは見なれた教室だった。


扉を開ける音と共に入ってきたのは
私と愛海を虐めていた主犯の女子生徒。


あぁ、戻ってきたのか(・・・・・・・)と思ったのも束の間。
どんな暴言が飛んでくるのかと待ち構えていたのだが。


「玻璃、いつまで寝てんのよ!
今日は放課後出かける約束してたでしょ!」


掛けられた言葉は想像していたものよりもずっと
親しみが込められたもので。


そう、まるで友達に対する言葉のような、、、。


「ちょっと玻璃〜、聞いてる?今日はアンタの
誕生パーティーなんだからね。
しっかりして貰わないと困るよ!」


私が考えている間にも彼女は私の腕をとって
歩き出す。


そこは、いつも愛海が居たところ。


そう考え、ひとつの可能性にたどり着いた。


玻璃「ねぇ、愛海は?」


「は?愛海?誰それ。今日のパーティーメンバーには
いないけど。」


尋ねれば、返ってきたのは予想どうりの答え。


やっぱり。


この世界で、愛海だけがいない。

それが意味するのは。


今、目の前にいる彼女と仲が険悪になったわけ。
それは、愛海が原因だった。


愛海が彼女の恋人を盗ったのだ。
もちろん無意識で。


それに激昂した彼女が愛海といつも一緒にいた私に
嫌がらせをしたのだ。


直接愛海を虐めると、彼にバレてしまうと踏んで。


だからその原因となった愛海が消えた今。
私たちの関係性も変化したというわけだ。


玻璃「あ〜、なるほど。」


それにしても、私は愛海にどれだけ
振り回されていたのだろう。

この世界では虐められ、向こうの世界では
命を落とす原因となった。


まぁ、全て自分の意思でやった事。
これが私の愛のカタチなのだから、別にいい。


「ほら、玻璃!ボーッとしてないで!」


隣でぶつくさ言う彼女の頭を撫でて。


玻璃「そうだね、行こうか。」


教室を出て、歩き出す。
暗くなり始めた街を反射する窓。
それを何となしに見ていたその時ーー


二人分の人影が、見えた気がした。


それは、たった一瞬のこと。
もしかしたら、私の見間違いかもしれない。

けれどきっと二人はどんな傷を負っても
本当のハッピーエンドをつかみに行くだろうから。


何も心配いらない。


歩き出した少女は、二度と振り返ることは無かった。


めでたし、めでたし、、、?

解説→←19話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (3 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
設定タグ:ツイステ , エース , オクタヴィネル   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2022年4月30日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。