真実の愛は海の底に (ページ15)

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13話ページ15

エース「ん、開けていーよ。」

目を開けても、何が変わるでもなく
目の前にいるエースに何をしたのかと問う。

すると、トンっと鎖骨の辺りに人差し指を立て
見てみ？と微笑んだ。

玻璃「、、、わ、、」

下を見ると、目に入ったのは鮮やかな
ピーコックグリーンのドレス。

マーメイドラインも相まって、まるでどこかの
人魚姫のようなデザインだ。

エース「監督生さ、普段から女っぽい格好しないし
もしかしたら、気ぃ使ってんじゃねぇかな～って。」

彼の言葉にピクリと体が反応する。
まさか、気づかれていたなんて。

エース「元々、髪とかも長かったんだろ？
綺麗だったのにもったいないって愛海が言ってたし。」

そう。

私はこの世界に来て、あえて女子として
振舞ってこなかった。

男ばかりの空間に女子が二人。
その上魔法も使えないとなると標的になるのは目に見えている。

それならば、と。

長かった髪を切って、女の子らしい口調もやめて
生きる為に気丈に振舞ってきた。

それを、まさか見抜かれるなんて。

エース「今日も羨ましそうにスマホ見てたしさ。
俺はリドル寮長みたいに高度な魔法は使えねぇから
しばらくしたら消えちゃうけど。」

そう言って気に入った？とこちらをのぞき込む彼。

玻璃「ありがとう、エース。私、凄く嬉しい。」

エース「、、、そ、、。なら良かった。」

自分でやったと言うのに、何故か今更照れるエースに
思わずクスリと笑みがこぼれる。

エース「あ～、監督生があんまり言いふらされたくないかと思ってデュースには言ってねえけど。」

そんな私を見て、すこしバツが悪そうに続けるエース。

エース「今度はデュースにでも頼んだら？
あいつも玻璃のドレス姿見たいだろうし。」

ちなみにこのドレスの色は、デュースを
イメージしたんだぜ。
アイツ玻璃の事大好きだもんな～。

そう言って、楽しそうに笑うエース。

その後どうやって彼と別れたのか、覚えていない。

次の日の朝、目が覚めたらドレスは消えていた。