11話 ページ13
エース「うっっま！」
開口一番、エースがそう叫ぶ。
隣のデュースも目を輝かせて頷いている。
今は、2人に手料理を振舞っているところだった。
玻璃「そんなかきこまないでも料理は逃げないから。」
まるで早食い競走かのように食べまくる2人を
笑ってなだめる。
デュース「冷めたらもったいないだろ！
折角の玻璃の手料理なん、、だ。」
言っていて途中で恥ずかしくなったのか
しりすぼみになっていく声と
赤く色づいた顔。
エース「へ〜、、デュースもやるじゃん？」
一方でニヤニヤと笑うエースは
肘でデュースをつついている。
玻璃「からかわないでやってよ。自分達はマブでしょ？」
デュース「、、あぁ、そうだな。」
マブ。なんて便利な言葉なのだろう。
真っ直ぐな彼には失礼な事だとわかっているけれど
私は気持ちに応えられないから、仕方がない。
エース「そういや、今日のパーティー中に
みんなで写真撮ったんだよ。」
少し気まずい雰囲気を断ち切るかのように
スマホを取りだしたエース。
デュースも自分のスマホを取り出してこちらへと向けた
そこに写っていたのは、真っ赤なドレスを着た愛海。
薔薇をモチーフにした高級品だとひと目でわかる。
いいな。
喉からこぼれる寸前。
何とか飲み込んで用意しておいた言葉を告げる。
玻璃「凄く可愛い、、、愛海に似合ってるね。」
そう言って微笑めば、2人は顔を輝かせて
みんなで選んだんだ！と話し出す。
デュース「このケーキは僕が、こっちのケーキは
エースが作ったんだ！」
凄いだろ！と言わんばかりのデュースに思わず笑みが
零れる。楽しそうで何よりだ。
玻璃「話もいいけど、そろそろ寮に帰ったら？
明日も学校だし。」
しばらく話したあと、時計を見ると
もう9時を回っていた。
いい加減帰らないと明日に響く。
デュース「そうだな、片付けるか。」
その言葉を皮切りに、三人で食器を洗い
片付けを始めた。
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作者名：楪 | 作成日時：2022年4月30日 13時
