歌姫ちゃんと歌い手さん【歌い手】

はち ページ9

自分の席に行くと私の隣の席に一際目だつ人がいた。スラッと高い背に赤のメッシュ。見た目から考えて何かの活動者だろうか

視線を感じたのか私の方を見る彼。私とサングラス越しで目が合うと彼は小さくお辞儀をし、ステージに目を向けた。

ステージのセッティングや花道の場所などを見ていると会場内で流れている音楽が急に大きくなった。歓声が上がる。もう始まるのだろう。

いくら自分もライブをたくさんやっているからといって他人のライブを見る機会はあまり無いので、緊張するし初々しい気持ちだ。

モニターに映像が映し出されライブが始まった。






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アンコールも終わったので、まだ高鳴っている胸を抑え、関係者通路からマネージャーの車へ向かう。

車に乗るとマネージャーがこちらをニヤニヤした顔で見てきた。このマネージャーの名前は田中颯太。私は田中と呼んでいる。

自称性別中間の見た目だけはイケメンのオカマだ。私が売れる前からずっと専属のマネージャーをしてくれている。


「なーに、そのかお。恋に落ちたみたいな顔してるけどー。」

『別に恋した訳じゃないけどすっごいかっこよかったの。私ライブでコラボとかしたことないから背中合わせで歌ったりしてるの良いなーって』

「あー、あんた1人で歌ったことしかないからねー」

田中が運転し始めると、私は今日歌い手さん達が歌っていた曲を流し、ツイッターを開く

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かっこいいって羨ましいよね
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久しぶりに日本語でツイートしたなー。フォローしてくれてるの外国の方が多いからツイートはだいたい英語でしている。

「ホテルついたよー」

『りょーかい、さんきゅー』

車をおり、自分の部屋に行くと急激に眠気が襲ってきたので、夕飯を済ませ、お風呂に入り、眠りについた。

きゅー→←なな

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