不器用な恋に口付けを

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心の中ではそれはもう色々と文句ばかりが募ってゆくけれど、上司の言う事は嫌でも聞かなくてはいけないってのが社会の暗黙のルール。




入社して一年目の新人のあたしは一番コキが使いやすいらしくこうやって面倒臭い雑用は全て押し付けられる。




…ふざけんな。




印刷機に乱雑に用紙をセットすると、ポチッポチッと手早く操作して機械を起動させるあたし。




ガタガタガタと動くこれは先月に一度壊れた。




つまりはこれを治すのだってあたしの仕事になったわけで…いいから新しいの早く買えという話だ。









「…どうぞ」


「おお、悪いな」




そうして印刷ミスが無いか一通り確認してからハゲ課長に書類を渡すんだけど、またこの受け取り方が気に入らない。


…人の目くらい見ろ。


もの頼んでおいてそれは無いでしょ？




新人だからって大した仕事も任せないでこんなことばっかり。



あたしだって新しい仕事にチャレンジしてみたいし、自分の実力だって試してみたい。



だから大学時代には専門の知識をこれでもかと詰め込んだのに…何な訳？

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