戸惑いながら、唇を重ね。【轟焦凍】 (ページ3)

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1話.入学。緑谷side ページ3

｢プレゼント・マイクの言っていた通り受かったんだね!そりゃそうだ!パンチ凄かったもん!!｣

難関校、
雄英高校のヒーロー科に入学した僕。

登校早々、女子と喋っていた………ｯｯｯ！

｢いや！あのっ…！本っ当あなたの直談判のお……………｣
ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗｯｯｯ!!!!ﾄﾞﾝｶｯﾊﾞｰﾝ!!!!

突如、轟音が鳴り響く。
驚いてそちら見ると、教室のでっかい扉が、跡形もなく吹っ飛んでいた。

｢何事ぉ？！｣

ｶﾞﾀﾝｯ!
｢ったく、うせぇなァ！！！｣

後ろを向くと、
キレたかっちゃん。

｢か、かっちゃん！？やめなよ!｣

やめた方が良いと言う僕を無視し、かっちゃんはずんずんと扉へと進む。

｢誰だぁぁ！？ぶっ壊したのはぁ…………！！ああﾞ？！｣

そこら中に舞うホコリと、
ドアの散り散りになった残骸の中から現れたのは、

……………真っ青な顔をした女子だった。

この時は、夢にも思わなかった。

この一人の女の子との出会いで、

僕らの学校生活が

まるで

180°、変わってしまうなんて。

｢まさかの女の子…………っっ！！｣

麗日さんが目を丸くする。

僕も全くもって同感だ。

僕が想像したのは、筋骨隆々の男子。

きっと誰だってそうだ。

｢あぁﾞ？女かよ！！！なに扉ぶち壊してんだｧ！？｣

｢そうだぞ君！しかしどうやって……｣

『 (ごっ、ごめんなさい………っ!!)』

飯田君と
かっちゃんに詰め寄られた例の女子は、ペコペコと頭を下げた。

『とっ、時々こういうことあるんです………っ。馬鹿力、みたいな……？』

｢馬鹿力だと君？！名前は……………｣

｢おい。何だこれは｣

『うわっ』

なんか!!!

いるぅぅ!!!

飯田君の話を遮ったのは、くたびれた男の人。

黄色い寝袋に包まって、廊下に転がっている。

｢ﾁﾞｭｯ!!｣

うわ。

『ゼリー…』

僕らの、長い長い高校生活が始まった。