戸惑いながら、唇を重ね。【轟焦凍】 (ページ1)

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ｐｒｏｌｏｇ. ページ1

夢を見るの。

毎日、同じ夢を。

でも、それがどんな夢なのかって
聞かれても、私は答えられない。

目が覚めると、夢でのことを忘れてしまうから。

唯一覚えているのは、誰かの言葉。

〝お前の〝力〟は素晴らしい〟
〝お前の〝力〟が必要だ〟

〝力〟ってなに？

あなたは誰？

顔はよく見えない。

霧がかかったように、いつも、
ぼんやりと見える。

不思議なのは、

この事を考えると、

すごく怖くなるということ。

いつの記憶なのか、

それ以前に実在する人なのかも

分からないけど、

その人の事を一瞬でも考えるだけで、
私の体は震えだす。

すぐに脈拍が上がって、頭がガンガンと痛くなる。

酷いときには、
泣いてしまうことだってある。

おかしな夢を見る理由を知りたい。

でも、
そう思うたびに、心のどこかで
〝知ってはいけない〟と声がする。

知りたい。………知りたくない。

私は、どうすれば良いの？

次回、追憶編。スタート。