優等生！優等生？ ページ8
ある日、俺は与えられたプレッシャーを捨てた。
＿毎時毎分毎秒のように投げかけられる期待の言葉。
「豚平君、頭良いね〜！」
「豚平君、運動できていいなぁ〜！」
周りの女共の気色悪い媚びるような視線と言葉。
「ハハ…ありがとうなァ＿」
心底、くだらないとも面倒だとも思っていたが、褒められているのにそれを無下にするのは可笑しいと言うのが一般論だろう。
一般論じゃなきゃ俺はとっくに【優等生】なんか辞めている。
そんな時だ、Aに出会ったのは。
ギャルのような見た目ながら礼儀正しく、全てに優しい。
正に彼女は天使だった。
ヤ、幽霊らしいし天使っちゅーんもあながち比喩にならないんやない？
「正直、もう辞めたい。優等生の看板なんかおろしちまいたい。
やけど、やけど！周りの目が怖い！周りの期待から逸れるのが怖いッ！
こんな弱い自分が嫌んなるッ…！
なのに、なのに！【優等生】の俺がずっと【優等生】を辞めたら嫌われるって戯言を吐き続けんねんッ…！！」
ぼろぼろと涙を流してぐしゃぐしゃになった顔をAから背ける。
どうせ、Aも否定すると思ってたから。
なのに、Aは。
「ゃ、優しくせんといてッ…！こんなんに慣れてもうたら、俺、可笑しなるもん、！」
俺を優しく抱きしめた。
そのAの口からするすると出てくる賛辞と称賛。
普段受け取る期待より、随分心が和らいだ。
かッ、かわええッ…！！
和らぐと同時に厄介な不安も俺に降り注いだ。
そう、Aが傷つくことはないだろうかと言うこと。
恐ろしく不安で心の和らぎも一瞬にして消え去った。
…でも、まぁ、ええわ。
危ない時守れるのは俺だけやもんなァ…不安な時寄り添えるのは俺だけやんなァ…
極上の加護を君に
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作者名：レインコート | 作成日時：2024年2月18日 18時
