悪魔の実？いいえ。体質です part8【ワンピース】

338ーロジャー延命作戦編ー ページ22

〜A〜





ここは過去……で、いいのかな



うろつくのは危険だけど、立ち往生してるのも危険



目を閉じて集中すると微かに人の気配を察知した



それも一人じゃなくて大勢



怖がってる暇はない





エースをロジャーさんと会わせるんだから



こんな未知の冒険の時にはいつも誰かしらがいてくれた



それは今は一人



不安で不安でたまらない




人の声が大きくなると足は段々駆けて、走り出していた



ここを抜けた先に何が待っていても怯えることはない




長いトンネルを出られたように気分は解放的だった




レイリー｢奪い合いがすっかりプレゼント交換｣


海賊団？



多分一つじゃない



さっきの交換って言葉を聞く限り、最低でも二つの海賊団がいる



しばらく立ち尽くしてると、誰かが私に気付いて声を上げた







バギー｢なんで人が……！？｣


シャンクス｢島民じゃないよな｣


バギー｢たりめーだろうが｣







ここにいる何人かを見たことがある


誰かに似てるような……




レイリー｢そこの美しいレディー。ぜひ私に名前を教えてくれないかな｣


瞬間移動でもしたのか、目の前に来た黄金色の髪をしたその人は私の手を取って甲にキスを落とした




あれ。この人どこかで……



えーっと……


レイリー｢お嬢さん。こんな所に一人でいては危ない。私が安全な町まで送ってあげよう｣








ロジャー｢アイツといるのが一番危険だろ｣







ここでここを離れたら来た意味がなくなる



私はロジャーさんに会いに来たんだ



親切な誘いを断るのは良心が痛む



｢あの、わた……｣


黄金さんの後ろには似ているレベルを遥かに超えて、同一人物と思わせるような人が目に飛び込んできた



｢オヤジ！！｣


握られていた手を払ってオヤジに一直線



抱きつくと本物のオヤジだと確信した




二つのうち一つは白ひげ海賊団だったのか



こんなとこで会えるなんて思ってなかったから嬉しさは倍である




みんなで集まって何してるんだろ？




マルコ｢ちょいちょいちょい！！オヤジ！？いつの間にそんな子供と……｣


エドワード｢全く身に覚えがねぇ｣


｢私のこと覚えてないの((ｳﾙ｣


そもそも私とオヤジが会ってるのは未来でのことで、この頃の世界におそらく私は生まれてさえいない



それでも少しだけオヤジを困らせてみたかった


若かりしオヤジは慌てふためいて自分の袖で目に溜めた涙を拭いてくれた

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