悪魔の実？いいえ。体質です part7【ワンピース】 (ページ46)

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〜A〜

フロンテイル｢知っているからこそ、脅しでなく本気だと伝わるだろう？｣

オーディン｢っ……。いいだろう。何が望みだ｣

フロンテイル｢まずは彼らのしでかしたことを不問にすること。このまま下界に帰すこと｣

オーディン｢ふざけるな。あの赤髪だけにも責任は取ってもらう｣

フロンテイル｢条件さえ飲んでくれるなら、私は死ぬまでこの天界で時を過ごそう｣

オーディン｢((ﾋﾟｸｯ｣

顔色が変わった

フロンテイル｢どうだい。悪い条件ではないはずだが｣

オーディン｢いいだろう。その条件飲んでやる｣

フロンテイル｢それともう一つ。今後一切、地上の者に関わらない。そう約束して欲しい｣

オーディン｢フローがここにいて、脳が守られるなら容易いことだ｣

フロンテイル｢そういうことだ。世界で2番目に愛してるA。君は好きに生きるといい｣

｢待ってよ。お父さんは知らないでしょ。みんな強いんだよ｣

フロンテイル｢強くても神には勝てない。人間という万物を作り出した存在には、歯向かうことすら許されない｣

それはあまりにも正論すぎた

たった今、その現実を目の当たり(まのあたり)にしたのは他ならぬ私自身

胸のザワつきの正体はこれだ

もう会えなくなるってこと？

誰のせいと問うまでもない

私が島に帰りたいなんて言わなければこんなことにはなっていない

嫌だ

いなくなるなんて

フロンテイル｢君は……自由だ｣

｢一緒にかえ……｣

帰ろう、と言う前に私達は見慣れたミスト島に戻ってきていた

何も消えてない

何も変わっていない

はずなのに…………そこにお父さんだけがいない

もう一度天界に行こうと森を抜けるも道は閉ざされていた

広がるのは雄大な景色

｢なん……で。私は……こんなこと望んでない。本気でいなくなって欲しいなんて思ってるわけないじゃん｣

なんで分かんないかな

天才なんでしょ

娘の想いぐらい汲み取ってよ！！

エアリス｢おかえりA。もう泣かないの｣

穏やかな笑顔(こえ)

お母さんはお父さんが帰ってこないことを知っている

エアリス｢生きて帰ってくれて、私はそれだけで嬉しいわ｣

私はずっと愛されていないと思っていた

でも違った

あれがお父さんの愛情表現だった

なんで今頃になってそんなことに気付くかな

どんなに泣いても時を戻す術はない

私の泣き声だけが島に響いた気がした