悪魔の実？いいえ。体質です part7【ワンピース】 (ページ45)

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〜A〜

｢おと……さ……。遅いよ｣

フロンテイル｢ナイスタイミングだと思うけど｣

｢そうだけども！！｣

お父さんの登場により安心してしまった

これで大丈夫だと

まだ何も終わっていないのに

オーディン｢お前が他者を助けるとはな｣

フロンテイル｢いやいや。そんなつもりはないよ｣

私の前に立ちはだかったお父さんは珍しく怒っているようにも見えた

なんで……？

お母さん第一で、他人になんて興味の欠片も示さないのに

フロンテイル｢ところでA。覇気は覚えたかい｣

｢なん……｣

フロンテイル｢レイリーくんのとこ行ったんだろ？｣

｢なんで知ってるのさ！！｣

フロンテイル｢だって…………はぁ……｣

そのため息はこっちがつきたい

説明を面倒臭がられたくない

フロンテイル｢ま、とりあえず覇気さえ覚えておけばそこそこ強くなれるはずだからさ｣

｢さっきから何の話ししてんの？｣

フロンテイル｢今後のAの話し｣

｢は……？｣

多分、私の記憶の中でもう何年も見てない父親としての笑顔(かお)をした

胸がザワつく

こんなの初めてだ

フロンテイル｢ではオーディン。私の娘と………そこの愉快な仲間達『誰が愉快な仲間だ！！』

フロンテイル｢下界に帰してやってくれないか｣

その言葉の意味を理解するのにかなり時間を費やした

返すのは“私達だけ”

そう聞こえたのは気のせい？

オーディン｢ふざけるな。お前とお前の娘以外は殺す｣

フロンテイル｢仮にも、神の言葉とは思えないな｣

オーディン｢神の血を引きもしない人間がここにいることさえ穢らわしい｣

オーディン様がパチンと指を鳴らすとルフィ達の体が少しずつ消えていく

それに伴って私の記憶も薄れていく

待って待って

え、なんで！？

やめてよ

大切な記憶なのに

記憶と共に私の中のみんなに対する想いも消えかかる

フロンテイル｢勘違いするなよ。これはお願いではないんだ｣

お父さんが自分の頭に切っ先を当てて不敵な笑みを浮かべると、神様達はザワついた

火の神｢ばっ……！！｣

風の神｢1回落ち着け｣

フロンテイル｢私はいつでも冷静だ｣

オーディン｢やめろフロー。その脳を傷付けるな。価値が分からないわけでもあるまい｣

フロンテイル｢知っているからこそ、脅しでなく本気だと伝わるだろう？｣

オーディン｢っ……。いいだろう。何が望みだ｣