4話 ページ5
眠く重たい身体を無理矢理起こしてライフルの入った楽器ケース風の鞄と貴重品の入った小さなショルダーバッグを持って車から降り、毛利さんとコナンくんの方をチラッと見て透の方を向き軽く腕に触れる。
……。
この坊や、見たことある。とてもよく似てる。あいつに。
「透、今日はありがとう、また明日ね」
私はそう言って颯爽と家の方に歩き出す。
が、何故か透に腕をつかまれた。
「A待って」
「何?…っ!?」
そしてグイッと引っ張られヒールが原因でよろけた所を支えてキスをしてきた。
…何してくれてるのよ、バーボン。
なんで今このタイミングでキスするの。しかも唇。
一瞬キッと睨みつけるが、すぐに照れたふりをする。
演技ならお手の物。これは母譲り。この髪も母譲り。
全て演技だ、そう思いたいけれど本当は本心から照れているのかもしれない。
「わぁ」
おいそこの坊や、わぁ、じゃないよわぁじゃ。
「な、なに、してんの透!しかも人前!!」
「ごめんごめん、つい愛しくて」
爽やかに微笑むバーボン。
何コイツ、絵になるんですけど、イケメンはいいよね〜、微笑むだけで絵になるとか、ほんと。なんか、ムカつく。
「うるさい黙って!」
「照れてるんですか?」
「ねー!もうほんとうるさい、帰る」
「あ、待ってください!あの、間違っていたらすみません、もしかして去年までの一年間読者モデルをやっていた伊崎Aさんじゃないですか?」
へー、よく知ってるね、毛利さん、1年とかいう短い間だったのに。
大学一年生のふりをしてやっていた読者モデル。
それは事務所から言われた設定で本当は当時は19歳のフリーター。
まぁ今でもフリーターなのだけど。
「よく知ってるね」
「ファンだったんです!あ、私毛利蘭って言います、よろしくお願いします」
「それは嬉しいな、ありがとう、よろしくね蘭ちゃん」
「はい、Aさん」
笑顔が可愛い女の子って感じ、私とは大違い、普通の女子高生の生活を送っている彼女が少し羨ましい。
高校なんてあっという間だったし、出来る事なら生まれ変わって普通の家庭で普通に暮らしたい。
.
142人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
オツキミ(プロフ) - さよさん» コメントと嬉しいお言葉ありがとうございます!(^^)これからも頑張りますのでよければよろしくお願いします(^-^) (2016年7月9日 9時) (レス) id: 1e0063d84b (このIDを非表示/違反報告)
さよ(プロフ) - すごくハラハラする展開で毎日楽しく読ませていただいてます(^○^) 次回の更新が待ち遠しいです! 応援してますね(*^◯^*) (2016年7月8日 23時) (レス) id: 2f7d0b21a8 (このIDを非表示/違反報告)
オツキミ(プロフ) - 紅月遼さん» ご指摘ありがとうございます!!勘違いしてました(;▽;)今すぐ直します! (2016年6月23日 23時) (レス) id: 44bddecd6d (このIDを非表示/違反報告)
紅月遼(プロフ) - ポワロではなくポアロですよー、更新頑張ってください(*´ω`*) (2016年6月23日 22時) (レス) id: 6677c03935 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:オツキミ | 作成日時:2016年6月18日 22時