37話 ページ38
「風見、入るぞ」
「えぇ、お疲れ様です、降谷さん」
「…アリス、いや、Aはまだ起きないのか…？」
「はい、医者には後数日起きなかったらもう…」
「そうか、それにしてもまさかAがあの伊東さんの娘さんだとはな」
「初めて会った時かなり彼女に『母の負担になるから病室から出てけ！』怒鳴り散らされましたよね、そういえば」
「お母さん思いなんだろ、確かにあれはストレスになるだろうな、今はAが同じ環境下に置かれているけれどな…、でもこれが彼女にとって1番いい方法だと俺は思う。
Aはこのまま組織にいたらダメになる、組織からAを守る為にはここにこうして監視付きで置いておく事が最善だ。こんなに素晴らしい脳と身体能力の持ち主、こちらに欲しいくらいだ」
「何言ってるんですか、降谷さん！彼女は…犯罪者ですよ？」
「分かってる」
降谷はベッドに管につながれて横たわるAに近づき愛おしそうにそっと頭を撫でた。
「降谷さん…まさか、彼女の事が」
「好きだし愛してる、って言ったらどうするんだ？」
「…どうも出来ませんけど、報われないと思います」
「あぁ、だろうな」
彼女は犯罪者、彼は警察だ、正反対の存在。
悪と正義。
もしも結ばれるとしたら彼女が脱走して変装し、一般人になりきる他ない。
「降谷さん、アリスは残忍な悪魔で人を撃つ事が快楽と化してる、って聞いたのですが、どうして彼女にはこんな噂がたっていたのですか？」
「少し前のアリスは確かにそうだった、でも彼女の親友だったメンバーが脱走し、彼女が慕っていた組織のメンバーがノックだと組織にバレ消されたり、色々あって彼女は大切な人達に対して情が生まれた、確かに快楽と化しているかもしれないが、それは対象が知らない人間の場合だけだ、現に親友を撃てずに自分がこんな目に合うことを自ら選んだ」
風見はその話を聞いて、少し嘲笑った。
「人の心は変わるってやつですか、信じられませんね」
「それにA色々組織に隠し事してたらしい、俺の正体もシェリーの所在もライに関する事も、これだけあれば恐らく他にも色々あるだろうな」
真剣に語る上司である降谷を見て、少し前の自分に後悔の念を感じたのだろうか、風見は少し俯いた。
「不思議な方ですね…、大方組織に入ったのも父親や公安に争うためでしょうか」
「だろうな…」
病室には再び沈黙が訪れ無機質な機械音が響くだけとなった。
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オツキミ(プロフ) - さよさん» コメントと嬉しいお言葉ありがとうございます！(^^)これからも頑張りますのでよければよろしくお願いします(^-^) (2016年7月9日 9時) (
レス) id: 1e0063d84b (このIDを非表示/違反報告)
さよ(プロフ) - すごくハラハラする展開で毎日楽しく読ませていただいてます(^○^) 次回の更新が待ち遠しいです！ 応援してますね(*^◯^*) (2016年7月8日 23時) (レス) id: 2f7d0b21a8 (このIDを非表示/違反報告)
オツキミ(プロフ) - 紅月遼さん» ご指摘ありがとうございます！！勘違いしてました(；▽；)今すぐ直します！ (2016年6月23日 23時) (レス) id: 44bddecd6d (このIDを非表示/違反報告)
紅月遼(プロフ) - ポワロではなくポアロですよー、更新頑張ってください(*´ω｀*) (2016年6月23日 22時) (レス) id: 6677c03935 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：オツキミ | 作成日時：2016年6月18日 22時
