15話 ページ16
どうしてだろう、声を聞いただけでもう涙が止まらなくなってしまった。
安堵や喜び、それらで胸がいっぱいいっぱいだった。
私は根っからの黒ずくめの一員、本当は喜んだりせずとどめを刺し息の根を止めなければならない。
でもそんな事は私には出来ない。
ライもとい赤井秀一は彼が組織にいた頃に師匠のような存在であり、兄のような存在だった。
恋愛感情なんて一切ないけど大好きだった。
でもそんな彼はノックで、私にはどうすることも出来なかったしその事実を聞いただけでショックで大号泣した。
「A、ごめん」
「何に謝ってるの、もうやめて、ごめんなんて聞きたくない」
赤井さんは泣き止まない私をそっと抱き寄せてまたごめんと呟いた。
「お願い、黙って…赤井さん」
「秀一でいい」
「無理、だよ…ライ」
やっぱり私にとって貴方はライであって諸星大なのだから。
「そろそろ有希子さん戻ってくるぞ」
そうだった。有希子おばさんのこと忘れてた。
この涙をどうにかするか、それとももう帰るか、どちらかしか選択肢がない。
ならこの場からおさらばするのが1番手っ取り早い。
「そうね」
「それと…」
「…大丈夫、この事なら誰にも言わないから、生きてるのしれて良かった」
私は去り際にライの頬にキスをして、有希子おばさんに見つからないように工藤邸を出た。
恐らくライの事だから今後私の事は監視するだろう。
本当に誰にも公言しないのかを見極める為に。
疑われるのはしょうがないと思ってる。
でも本当に誰にも言わないよ、組織に関わってる人には特に言わない。
バーボンに知れたら何をしでかすかわからないし。
こんなの本当は組織の一員として失格なんだけど、ね。
これで組織にチクッてライが消されるんだったらこのまま黙っててなぜ言わなかったんだと私が責められて私が消された方がましだ。
142人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
オツキミ(プロフ) - さよさん» コメントと嬉しいお言葉ありがとうございます!(^^)これからも頑張りますのでよければよろしくお願いします(^-^) (2016年7月9日 9時) (レス) id: 1e0063d84b (このIDを非表示/違反報告)
さよ(プロフ) - すごくハラハラする展開で毎日楽しく読ませていただいてます(^○^) 次回の更新が待ち遠しいです! 応援してますね(*^◯^*) (2016年7月8日 23時) (レス) id: 2f7d0b21a8 (このIDを非表示/違反報告)
オツキミ(プロフ) - 紅月遼さん» ご指摘ありがとうございます!!勘違いしてました(;▽;)今すぐ直します! (2016年6月23日 23時) (レス) id: 44bddecd6d (このIDを非表示/違反報告)
紅月遼(プロフ) - ポワロではなくポアロですよー、更新頑張ってください(*´ω`*) (2016年6月23日 22時) (レス) id: 6677c03935 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:オツキミ | 作成日時:2016年6月18日 22時