lemon (ページ32)

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夢見るこどもの傷をみるページ32

｢..何かどきどきするね。｣
Rj｢奉仕活動ってやつか、これ。初めてなの？｣
｢ううん、けどこういう施設、は初めて。｣

うそ、来たのは初めてなんかじゃない。どういうところかなんてきっとわたしがいちばん知ってる。何処と無く落ち着きがなさそうにきょろきょろしてるジェノの手をぎゅっと握ると、握り返してくれた。

Jn｢..何かどうしたらいいかわかんなくなるね..｣
｢今日、ひょんたちもいるから大丈夫だよ。｣
Jn｢そう、だよね。｣

前を見ればひょんたちが大人の人、きっとここの職員の人と話してた。その後まねひょんがわたしたちにも説明してくれた。少しの間、ここの施設にいる小さい子と遊ぶらしい、多分。合ってるはず。

廊下を出れば色んな声が聞こえる、小さい子の笑った声や泣いた声、懐かしいと思った。

まちなさい、響いた声の方を見ればすぐ後ろにまだ小さい男の子がいた。

｢....どうしたの？｣

しゃがんでその手を取れば、たくさんの跡があった。小さくて丸い跡、知ってる。

職員の人がその子を連れて行こうとするのを思わず引き止めてしまった。

｢すいません、少しこの子と話していいですか..？｣

みんなもびっくりしてたけど、しばらくこの子とふたりになることが出来た。

｢..いたかった..ね....｣

わたしが泣いたって何にもならないのに..熱い、痛い、それでもあの人は笑ってた。

｢なんで、ぬながなくの？｣

高い声が聞こえて、慰めるようにその手が涙を拭いてくれる。

｢..痛いの、知ってるから。ぬなも。｣

わかるよ、そう言って抱きしめれば小さい手が抱き締め返してくれた。