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買い物を堪能した後、部屋に戻り、両手に持っていた袋を置く。まだ夕飯まで時間がある。
せっかくなので、街中を散策する事にした。
色々な路地を歩いていると、ふと見覚えのある建物を目にする。
ここって、
昔グクと一緒に来たクラブ...
ネオンに輝く看板を見たまま立ち尽くしていると、中から女性が出てきた。サラサラとした長い髪を靡かせ、颯爽とする動きはモデルやアイドルの立ち振る舞いだった。
バチっと目が合う。
「あれ、あなた、」
「！」
目の前に来て、口を開く。
「グクに会いに来たの？」
「えっ、いや、その、えっと」
いきなりの問い掛けに狼狽えてしまう。
怪訝な面持ちで、下から舐めるように私の姿を見るや否や、ふーんといった表情で出てきた店の方に振り返り、中に入るよう手招きされる。
足を踏み入れると、前回訪れた時よりも遥かに人が多く、熱気と歓声で埋め尽くされていた。
グクがいるんじゃないかと期待して彼女についていったものの、あまりの混雑に途中で見失い、逸れてしまった。
来た道を戻ろうにも渋滞していて、進めない。
とりあえず、人が少ないスペースに向かって移動する事にした。ステージ上では、DJがパフォーマンスを繰り広げ、観客達はそれぞれ飛び跳ねたり回ったりしている。
間を潜り抜けていくと、大きな腕にぶつかった。
「痛っ、」
「あっ、ごめん！大丈夫？」
こういう場所が得意そうな風貌の男性が、片手に酒瓶を持っていた。
「服濡れてない？」
「大丈夫です、」
「本当に？」
ちょっとあそこに行こうかと腕を引っ張られて、人が少ないスペースまで連れて行かれる。
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作者名：あぽ | 作成日時：2023年12月28日 5時
