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店を出て、繁華街から離れるように並木道を歩く。
静寂を砂利を踏む音が遮る。
「さっきのクラブの話なんですけど...」
なんとなく、全てを見透かされているようで、こんな事を話すのはおかしいと思っていても、つい言葉に出てしまう。
「色々あったって言ったじゃないですか?」
「はい」
「その、困っていた時に、ジョングクさん...が助けてくれたんです」
「おお、さすがですね」
「でも、その後に私の至らない言動で、怒らせてしまって」
「何があったんですか?」
「...」
「?」
「...その場を切り抜けた後も、しばらくフォローしてくれて。とても嬉しかったんですが、ジョングクさんには...大切な人がいるというのを知って。だったらその人に誤解されないように、振る舞ってほしいと話したんです」
「...」
「それで、」
だめだ、上手く話そうとしても感情が溢れてきて整理することができない。
「大切な人がいるというのは本人が言ってたんですか?」
「いえ、あの、別の人から、です」
「なるほど」
「クラブに入る前、女性に会ったと話したじゃないですか。その人だと思うんです」
「...なんでそう思うんですか?」
「すごく綺麗な方ですし、なにより...その、自分に対する視線があまり良くない感じだったので...」
「それでも、クラブに入るよう、案内されたんですよね?」
「はい、」
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作者名:あぽ | 作成日時:2023年12月28日 5時