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「どうして、」
グクは笑顔のまま、いつもの眼差しを向ける。
あ、そっか、そうだった。
本命がいるんだった。
相手にされるはずがない。
最初からそうやって認めてきたじゃん。
私はおもちゃで、それを横取りされたのが気に入らないんだ。
弄ばれている立場からしたら、強気な態度で怒ってもいいはずなのに。
相手がBTSの、ジョングクともなれば、そんな事言える訳がない。逆に相手にしてもらっているだけでも、奇跡的な出来事。
近寄りたい人はたくさんいる。
その中から選ばれただけでも充分幸せな事。
でもね、私にも人の心はある。
「どいてください、」
低めのトーンで言い放った。
覆い被さっていた身体が離れる。
「もう、終わりにしたい...」
そう言い放つと、さっきまでの笑顔が消えた。
「会えた事は本当に感謝してます、過ごしてきた時間もとても幸せだった。でも、やっぱり良い存在でいられない。私なんかよりもずっと良い人はいる」
「また、それ?言ったよね、努力するって。僕の努力がまだ足りなかったのは申し訳ないけど...次会ったら向き合ってくれるって」
「信じてたよ!グクが頑張ってるから私も頑張ろうって、でももう信じられないよ、」
「僕も信じられない」
「なんで私なの?」
「それは、」
お互いの荒ぶった声が一瞬静まる。
「わかりました、もういいです」
そう言ってグクは荷物を持って出て行った。
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作者名:あぽ | 作成日時:2023年12月28日 5時