見た目はJK中身はアラサー

高校生活 ページ36

モニタールーム



絵心「アンリちゃん。A先輩のプレー見たことある？」




帝襟「Aさんのですか？」




絵心「うん」




帝襟「そういわれるとないですね。」



絵心「先輩が高校生の時はさ、本当に先輩中心なチームだった。彼女が攻めればチーム全体が攻撃に向かう。彼女が守りに入れば、チームは鉄壁となる。」



絵心「先輩の本当にすごいとこはさ、オールラウンダーなとこなんだよね。」



帝襟「オールラウンダー？」



絵心「先輩はどんなポジションもできる。五感がいいし、運動神経もいい。前に聞いたことがあるだよね。」




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絵心「先輩、いい加減女子が弱いからって男子と練習するのやめませんか？最近は男子もついていけてませんよ」



「でも、甚くんは付き合ってくれてるじゃないか、」



絵心「先輩とやるとなんか、変な感じなんですよね。何しようとしてもバレてる感じで、やりづらい。」



「あー、それは実際そうだしね。私五感がいいんだよね、
ほんと。目隠ししても聴覚と嗅覚で過ごしていけるくらい。だから君たちの目線や意識の方向、チームメイトの位置、ゴールまでの距離、敵の位置、あとは...足の動かし方とか、それでどこにいつ、どんなボールを打つかある程度予想できるんだよ。」




絵心「化け物ですね。」



「ハハッ、私の弟の方がやばいよ。弟は天才で、私は凡人だから」



絵心「先輩、凡人の女の子は普通男子とサッカーなんかできないんですよ。」



「ふふっ、まぁまぁ君の練習相手になるのも私くらいだろー」


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絵心「って、感じで言ってたし、」



帝襟「なんでそんないい高校生活過ごしてるんですか？ずるい、私もAさんときゃっきゃうふふな高校生活送りたかったです！！」



絵心「ふっ、」



帝襟「その顔やめてください、殴りたくなる。」



絵心「こんな話はどうでもいいんだけど、とにかく先輩はどのポジションでもできちゃうし、五感いいから一対一とかにも強いし、パワーもあるし、コントロールもうまいし、顔いいし、」



帝襟「なんか違うの入ってますよ。否定はしませんけど」



絵心「だから、先輩負けたことないんだよ。サッカーで。なのに...ずっと自己評価低くて困ってる」



帝襟「あ、それはたまに感じます。」


絵心「どうしたもんか、」


そう言いながら絵心は試合に目を移す。まだ始まったばかりだ。

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