126 泣いちゃやだよ ページ26
．
「……泣かないで、テヒョン。
泣いちゃやだよ」
思わず立ち上がって、テーブル越しにテヒョンの頭を抱き寄せた。
若干距離があるから体勢が少しきつかったけど、そんなのはどうでもよかった。
TH「……ごめん、ヌナ。ほんとごめん…」
そうやって涙を流すテヒョンを見ると、私は息も出来なくなりそうなぐらいに苦しくなった。
席を立って、テヒョンの隣に腰を下ろす。
テヒョンは俯いたまま私とは目を合わせない。
「テヒョン。……テヒョン」
名前を呼べば、2回目でようやく顔をゆっくり上げてくれた。
赤く濡れた瞳に心臓が締め付けられた。
「……泣かないで。私までまた涙でちゃう…」
そんなことを言いながらもう涙は頬を伝っていて、ほんとどうしようもないなと思った。
「どうしてテヒョンが最低なの？
…私そんなこと1ミリも思ってないよ」
TH「…俺知ってたんだよ。
ヌナがジョングクのことで悩んでるときも、2人が両思いだって知ってたのに……」
大きな片手で顔を覆ったテヒョン。
本当にテヒョンのことをずるいだとも、最低だとも思わなかった。
ただ思ったのは。
「……それだけ、テヒョンは私のことを好きだったってことでしょ？」
ただただひたすらにテヒョンの気持ちを実感した。
罪悪感を抱いている姿に、テヒョンが涙を流す姿に。
「ずるいなんて思うはずがない。
グクの気持ちなんて、テヒョンから教えてもらうことじゃないじゃん。
それは私たち2人が話さなきゃいけないことだよ」
当たり前だ。
人から人の気持ちを教えてもらうなんてありえない。
それは私とグクが2人で話して、互いの想いを伝えなきゃいけなかっただけのこと。
テヒョンがそれを気に病む必要なんて本当に一切ない。
それなのに。
TH「でもそのせいで、結局ヌナもジョングクも傷付けた。
ヌナを泣かせたくないって心から思ってるのに、ヌナを何回も泣かせて…ほんと俺、」
彼の言葉はそこで止まった。
止まったというよりも、私が止めた。
TH「…なに、ヌナ」
「………ふふ。面白い顔」
彼の頬を包んで、ぎゅっと中央に押し寄せてみる。
言葉はうまく発せてないし、ぎゅっと寄せられた顔は普段の綺麗なテヒョンとは程遠くて可愛かった。
．
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uk(プロフ) - 何度泣いたか分かりません・・・切ないです。。お休み中とのことでしたのでいつか公開されるのを待っています。素敵なお話をありがとうございます！ (2020年10月7日 22時) (
レス) id: 7eeed36c19 (このIDを非表示/違反報告)
ナノカ(プロフ) - hさん» hさんコメントありがとうございます！そんなに感情移入して頂いてるなんてこれ以上ないぐらい嬉しいです（ ; ; ）笑 拙い文章ですがそう言って頂けてもう涙涙です…決めてた結末に向けて頑張って書いていきますね！ありがとうございました(*^^*) (2020年6月3日 13時) (レス) id: 59d638975a (このIDを非表示/違反報告)
ナノカ(プロフ) - Kumiさん» Kumiさんいつもコメントありがとうございます！うわんなんて嬉しいお言葉…どっちとくっついても悔いがないなんて嬉しいです（ ; ; ）頑張って更新していきます！ (2020年6月3日 13時) (レス) id: 59d638975a (このIDを非表示/違反報告)
ナノカ(プロフ) - 夏さん» 夏さんいつもコメントありがとうございます(*^^*)不器用なグクに素直になってほしいものです…！次で完結ですので是非最後でお付き合い頂ければ嬉しいです！ (2020年6月3日 13時) (レス) id: 59d638975a (このIDを非表示/違反報告)
ナノカ(プロフ) - mgnさん» さすがすぎて何も言えませんが一言、愛してますとだけ伝えときます (2020年6月3日 13時) (レス) id: 59d638975a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナノカ
| 作者ホームページ：
作成日時：2020年5月7日 12時
