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顔色一つ変えずに言い切られたその言葉。
あまりにも迷いのない声色に、恐ろしいことを言っていたことを忘れかけてしまう。
が。
凛「け…、い!自分が何言ってるか、わかって、」
月島「わかってますよ。…お怒りの皆さんも、これが自分の命がかかった人狼ゲームだってこと、わかってますよね?」
冷徹ながらも怒気を孕んだ声に怯む。
蛍は本気で、このゲームから生き残ろうとしている。それが伝わってくるような気がした。
けど、それだけで割り切れるものじゃないと、団員の痛みを代弁すべく口を開こうとした──のを、遮ったもの。
「…凛、その話はするならあとだ。そろそろ正午………投票時間が迫ってる。その日向、ってやつの話も聞かないとまずいだろ。」
時間が迫っている、と言われて時計を見ると時刻は午前11時半をまわっていた。
昨日読んだ〝リアル人狼ゲームルールブック〟には確かに、正午に端末を使って投票する、と記されていた。
……だが、問題なのはそのことではなく。
俺の言葉を遮った人物が、彼であることだ。
凛「お前…!自分の妹の話だろ、シンタロー…!!」
悔しくねぇのか。もしかしたら助かってたかもしんねぇって、今その話を、と口にしようとするとももうひとりの如月は首を横にふる。
シンタロー「……助けられたかもしれない、けど、それはもう過ぎちまった話だ。凛、助けられたかもしれない、そいつを糾弾するより、先に。」
モモを殺した、人狼を暴きたいんだ。
犠牲をひとつでも、減らせるように。
高校中退ヒキニートの台詞じゃない。妹を失って、こいつはなぜこんなに冷静でいられるのか。
蛍と同じように、冷静な表情で言う殺された少女の兄の言葉に、俺をはじめ、冷徹な言葉に怒りを見せていた者達の気持ちは幾分か落ち着いたようだった。
赤司「…落ち着いたみたいだね。じゃあ……疑われている、日向君。君から何か弁明があれば。」
征十郎の促しで、その場の視線はいっきに翔陽に集中する。
そういえば、この一連の話の中、中心にいるはずなのに1度も、その声を聞いていないような気がする。
顔は少し伏せっていて、表情が読み取れない。
チョロ「…ちょっと、大丈夫なの?」
山口「ひな…た……っ、え…?」
隣に座る忠が翔陽の顔をのぞき込んで、一気に…そう、青ざめたのに気付く。
その場に駆け寄った…瞬間。
「あ………あはははは………!!」
「……おれ、人狼!!」
狂った笑い声が響いた。
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蘭花(元フォロ方ちゃん)(プロフ) - まさか日向とは…なんかツッキーが探偵みたいでカッコイイw声優ネタも大好きです!更新楽しみにしています! (2016年11月29日 0時) (レス) id: 30aee8518b (このIDを非表示/違反報告)
亜咲(プロフ) - (実はちょっと声優ネタですw)コメントありがとうございます( ˘ω˘ )!!更新……頑張るのでぜひまた来てください(*′ω′)b (2016年11月26日 22時) (レス) id: fd54e546ce (このIDを非表示/違反報告)
梨(プロフ) - 菅さんがトッティに敬語を使ってるとこ吹いたwwwそしてその後のトッティの対応www声優さん入野さんで同じだから余計笑ってしまうwww (2016年11月26日 22時) (レス) id: e81c28bfff (このIDを非表示/違反報告)
梅(プロフ) - 人狼多くないっすか……? (2016年6月30日 7時) (レス) id: ab6ad38c7b (このIDを非表示/違反報告)
はるはる - おおお!!とっても続きが気になります!!これからも頑張ってください!!つかもうファンでs(( (2016年5月8日 14時) (レス) id: 18aaab6beb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:亜咲 | 作者ホームページ:
作成日時:2016年3月31日 19時