苦い苦いお砂糖さん。《SUGA》 (ページ43)

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着信ページ43

「はぁぁぁぁあああああ」

今日のスケジュールを終えて、もうため息の領域ではないため息をつく。←

明日にどっかり座ってスマホを開く。

「…なにこれ」

そこには、

"ゆんからメールが届いています"

"ゆんから着信が届いています"

という二つの件はずらららっと、バラバラに計10件ぐらいある。

「…可愛すぎだよ、ゆん」

心がポッと温まれば、今度は罪悪感が湧いてくる。

「ごめんね、ゆん」

元といえば、私がゆんを知らなければ良かったことで、

好きにならなければ良かったことで、

あんな変なタオルと言葉なんて書かなきゃ良かったわけで、

モデルになんてならなきゃ良かったわけだ。

全部、私のせい。

トーク画面を開けば、

〈大丈夫か？〉

〈寝坊したのか？〉

〈仕事忙しくて会いにいけない、ごめん〉

〈着信〉

〈ごめんもう行く〉

〈遅くなったけど、本当に大丈夫？〉

〈ジニヒョンがウザいからこっち来てよ〉

〈Aがいないから皆うるさい〉

〈着信〉

という、何ともいえなくなるような、嬉しいような、悲しいような、寂しいような、切ないような、変な感情になる。

「会えないの、辛い」

涙目になるのをこらえて、

早くおうちに帰ろうと楽屋を出る。

スミン「あっ！Aさん！」

「ん？」

帰り際、受付のスミンに呼ばれた。

スミン「(あの、事務所の前に待ってる人が居ますよ！)」

何故か小声で話すスミン。

「え、変質者？不審者？」

スミン「(ちっ、違います！とにかくそういう人ではなく、Aさんを待っている方がいらっしゃいますよ！)」

「そっか。ありがとう！」

…まさか。

ゆんじゃないよね？？

そのまま事務所を出て周りをチラチラ見る。

「何だ。誰も居ないじゃん？」

ちょっとの安心と、ちょっとのショック。

SG「おい」

「ひぃえっ！？」

SG「(こっちきて！)」

事務所のすぐ横の草むらと夜の闇に隠れているのは

「ゆん…っ」

罪悪感が増える中、バレないだろうという思いを強く持ちゆんの所へ行く。

SG「何で来なかったの」

「ごめんね、もういけないの」

SG「…なんで」

「行きたいのは山々なんだよ？だけど仕事が忙しくて。
あーあ、ジニオッパのご飯食べたいな」

この温もりに、ゆんの拗ねた可愛さに涙が出そうになって、必死にごまかした。