本丸案内 ページ7
起きればそこは見慣れた木造建築の家で、多分新しい本丸だった。
少し歩いてみようと思ったけれど、どうにも誰かに抱き枕にされているらしく、がっちりと抑えられている。
うぅん、困ったぞ。
少し見て回りたいけれど、起こすのも忍びないしなぁー……
もういっそ寝てしまおうか?
いや、その前に誰かだけを確認して…
「…う、…ん、ん?あぁ、起きたの?疲れてただろうから寝てても良かったけど」
どうにも、私を捕まえていたのは小竜景光だったらしい
『いや、そろそろ起きるよ。挨拶もまだだしね』
「じゃあ本丸案内したほうが良いかな?着いてきて。あ、荷物は其処だよ」
『助かるよ、ありがとう』
礼をいって先を歩く小竜についていく。
すると前の本丸には居なかった膝丸さんと髭切さんと会った
「あっ、膝丸さんに髭切さん、こんにちは。こっちは俺です」
『俺です』
余りにも適当な紹介で思わずノってしまったけれど、膝丸さんは私を見て固まっていて、髭切さんは頭を撫でてくれていた。
『撫でるの、うまいですねー。あ、膝丸さん、これでも太刀ですよ』
少し格好着けてキリッとして言えば再起動しはじめて、それでもまだ疑っているようだった。
「……その体で太刀を振るうのは大変だろう」
『そうでもないですけどねぇ。ほら、蛍丸、いるでしょ?あの子みたいな感じで』
「成る程…れべる、とやらは何れぐらいなのだ?」
『確か〜、九十三です。多分?』
「ならば、人の身にもなれているだろうから不便はないだろう。では、俺はここで」
「じゃあ、がんばってね〜」
最後まで頭を撫でていた髭切さんと親身になってくれた膝丸さんにお礼を言って歩き始める。
「ここが古備前の部屋で、こっちが青江、それでこっちが脇差の娯楽部屋」
『こっちはなんだい?』
「そこは大太刀の娯楽部屋だよ。太刀はこっちだから暇なときはここに来ると構ってもらえると思うよ」
『それはいいね。この本丸、設備が充実していて良いね』
と、まぁこんな具合で紹介が終わり、皆今は大広間にいるらしいので最後に主役として入って行くらしい。
まぁ、そんなの聞いたら身なりは整えるのは当然。
髪を持ってきていた櫛でとき、ハーフアップをくくり直して衣装に汚れている場所やシワがある場所が無いか確認して、無かったので大広間に着いて、襖を静かに開けて、荷物の中に入れていて取られていないそれなりに綺麗な茶菓子を持って登場する。
『初めまして、君が新しい主だろう?迎えてくれてありがとう!』
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作者名:湖江 | 作成日時:2018年8月30日 0時