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夢は脳が記憶の整理をしているときに見るのだと聞いたことがあった。






YN「それで結局男の子の顔は思い出せたの?」


「…ううん、未だに分かんないままなの」


YN「え!まだわからないの?

結構その夢見たんじゃないの?」


「うん、だけど男の子のことだけ起きたら綺麗さっぱり忘れてるの」







ユナはしばらく黙って何かを考え始めた。








YN「…なんかさ、その夢ってAにとってすごい大事なことなんじゃないの?」


「大事なこと?」


YN「だって普通そんな不思議なことないじゃん。

何か神様が教えてくれてるんじゃないのかなって思っちゃうんだけど、私は」






私もそう思ったことは確かにあった。







「けど夢の中の私、国の姫様なんだよ?」







いくらなんでも今の私とかけ離れすぎていて、何かのお告げだなんて到底思えなかった。




そう思っていることをユナに伝えると、





YN 「あー、まあそれもそうだよね。

姫様だもんね。時代劇かって感じだも…」






そこまで言って、突然言葉を止めたユナ。








「え?なになに、どうしたの」


YN「……前世だったりして、とか思ったり」






ユナは真剣な顔をしてそう言葉をこぼした。








「…前世?」


YN「いや、分かんないけどさ!

だって確かに今のAとはかけ離れてるじゃん、姫様なんて。けど前世だったら、あり得るかもなーとかさ」






前世。

こないだの教授の話を思い出した。






『誰だって前世は持っている。

けれど、現世を生きるのに過去は必要じゃないから思い出す必要はない、と前世を思い出す人は本当に少ない。』







前世なんてそんなことありえる?



そう思う反面、



もしかしたら、そんな気持ちも一瞬交差する。









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作者名:ナノカ | 作者ホームページ:   
作成日時:2020年3月31日 19時

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