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「…え、ちょ、ジョングク」
唐突なそれに焦った私はなんとも情けない声を漏らす。
JK「……どうしたの？」
「どうしたの？って、」
また彼は不思議そうにそう言った。
JK「さっきはヌナの方から近くに寄れって言ってきたのに」
…ほんとなにやってくれたの、さっきの私。
ジョングクが不思議がるのも頷けた。
それもそうだ。
さっきまであんなに近くに寄れとうるさかった女が突然恥ずかしがったところで、彼からしたら全く意味が分からないだろう。
「…あの、でもそれとこれとは話が別というか…」
自分でも何を言ってるか全く分からない。
JK「………嫌？」
ジョングクは追い討ちをかけるようにそう言った。
聞き覚えのあるそのセリフ。
嫌、なんて思ってもないこと言えるはずがなかった。
「…嫌、なんじゃなくて、ただ恥ずかしくって…」
ようやく彼の方に身体を向ける。
するとぼんやりとした暗闇の中、同じように私の方を向いている彼と目が合う。顔の距離が思ったよりも近いことにまた心臓が跳ねた。
JK「…ふふ、ヌナ可愛い」
ジョングクはそう微笑むと、またその左腕で優しく私を包みこんだ。
優しく私の身体を覆うその腕、そしてその手は優しく私の髪の毛を撫でた。
そんな彼に私の心臓の鼓動は速まるばかりで。
ドキドキしながらもジョングクの目を見ると、目があった彼は優しくまた微笑んだ。
JK「ヌナ、ちょっとだけ頭上げて」
彼がそう言うから、素直に従って頭を少し持ち上げると、ジョングクは私の首の下に彼の右腕を通した。
いわゆる、腕枕ってやつ。
「…腕しんどくない？」
JK「うん、大丈夫。」
腕枕までされてがっつりと彼に包まれた私はこのまま眠れる気なんてしなかった。
さらりと優しく私の頭を撫で続けるジョングク。
JK「…ヌナ、いい匂いする」
「え？」
JK「シャンプーかな」
既に少し眠たそうな声でそんなことを言うジョングク。
「……シャンプー、かな。
多分グクからも同じ匂いするよ」
JK「あ、たしかにそっか」
私の家でお風呂に入ったことを思い出したのか、グクはふふ、と小さく笑った。
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作者名：ナノカ
| 作者ホームページ：
作成日時：2020年3月31日 19時
