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「あーー!生き返る」
その湖でカラカラに乾いていた喉を潤す。
JK「ほんと今日は暑いですね」
「ね、干からびちゃうかと思った」
隣で同じように水を飲んでいたジョングクが突然、彼の上半身を纏っていた服を脱ぎ捨てた。
「え?!なにしてるの」
JK「なにって、暑いし身体流しとこうかなって。
こんなところあんまないじゃないですか」
「…ああ、確かにそれもそうだね」
逃げている身の私たちがのんびりとお風呂に入れるわけなんてなくて、張り付く汗を流せる場は少なかった。
JK「ほら、姫様も脱いで」
「え!ちょ、まってよ」
ジョングクは私の服を脱がそうと手をかける。
今まで彼に何度も身体を見られたことはあるけど、それとは違った恥ずかしさが私を襲って思わずストップをかけた。
JK「なんで?姫様も一緒に汗流そうよ」
「うん、いや、流すけど!でも自分で脱ぐから!」
私がそう言うと、彼はパッと私の服を掴んでいた手を離した。
JK「はい、じゃあ脱いで」
代わりに私の姿をじっと見つめる。
「…そんな見つめられたら脱げないんだけど」
JK「大丈夫ですって、
俺もう何回も姫様の裸見てるん…っいた!」
そんな小っ恥ずかしいことを言い出したから軽くジョングクを叩いておいた。
私に叩かれた腕を痛そうにさするジョングクを見て、思わず笑いがこぼれてくる。
こんな追われている生活、恐怖に耐えながら逃げるような生活の中で自分がそうやって笑っていられることに安心する。
もちろん、苦しくないなんて言えない。
けれど、ジョングクが側にいてくれる。
たったそれだけで私は誰よりも幸せだった。
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作者名:ナノカ | 作者ホームページ:
作成日時:2020年3月31日 19時