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「あっつい！」
JK「姫様、もうちょいだから頑張って」
私たちは今太陽が照りつく中、森の中を歩いていた。
木々のおかげで太陽の光が遮られているというのに、むわっとした空気と服に張り付く汗が不快でたまらない。
ジョングクの家族が住む田舎を目指してもう1週間が経った。
幸いお金だけはたくさん持っていたし、食べ物に困るようなことはなかった。
寝床を探すのが大変だったけれど、これもまた幸いなことに私の顔は国民にはあまり知れていなかった。
だから私を脱走した姫だと知らない人が泊めてくれることもあったし、夜は涼しかったから野宿も苦ではなかった。
ジョングクだけは「姫様にこんな思いさせるなんて」とかなんとか言って気にしていたけど、私はジョングクと一緒にいられればそこがどこだってなんだってよかった。
…でももうそろそろ限界だろうな。
私がいなくなったことに気づいた国は、すぐにたくさんの追手をよこした。
今のところまだここまではきていないみたいだけど、そう噂する村人の話を聞いてそのことを知った。
すぐに捕まえられると思ったんだろう。
それこそ最初はただ闇雲に探していただけだったみたいだけど、2日ほど前に私の似顔絵が公開されたらしい。しかも賞金までかけられているみたいだった。
思ったよりもすぐに捕まらないことに焦ったのか、どうやらそうやって捜索の手を広げているみたいだった。
正直これには堪えた。
こんな暑い中で顔を隠して逃げなきゃいけないうえに、前みたいに村人に泊めてもらうこともできなくなってしまった。
絶対にジョングクと逃げ切るんだ。
そう固く胸に誓っているけれど、ふとしたときに突然得体の知れない恐怖が私を襲う。
JK「姫様、もう見えましたよ」
けれど、彼の笑顔を見るとそんな恐怖もどこかへと吹き飛んだ。
彼が私の側にいてくれる。
それだけで私はどんな苦境の中でも私自身でいられる気がした。
ジョングクが指差す先には私たちが求めていた水辺があった。
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作者名：ナノカ
| 作者ホームページ：
作成日時：2020年3月31日 19時
