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だって今こうして私に起こっていることは、理屈だけでは説明できないくらいにあまりにも不思議なことだった。
「…いやいや、あるわけないじゃん!
私の前世お姫様って面白すぎない?」
けれどなぜかそれを受け入れるのが怖くて、私は思わず笑いに変えて否定した。
YN「…まあそうだよね。
えー、でもなんか気になるねその夢」
ユナはそれ以上つっこんでくることはなかった。
そのあと話題は変わったけれど、私の脳内を占めるのは前世のことだった。
…前世か。
前世っていうのは考えたことなかったな。
確かにあまりにも不思議なこの状況に、神様からの何かのお告げ?なんて思ったことはあったけれど、それ以上は考えたことはなかった。
そんなことを考える間もないぐらいに、最近の私の脳内はジョングクで占められていたから。
けれどユナの言う通り、あれがもしも私の前世なのだとしたらあの不思議な夢も説明がつくような気もした。
そしてまたあの教授の言葉が思い浮かぶ。
もしもあれがほんとに前世なら、私は現世を生きていくために前世を思い出す必要があるってこと?
そういうことになる、よね…
でもそれならどうして私は目が覚めるたび、相手の男の子の顔も名前もなにもかも忘れてしまっているんだろう。
そんな疑問も浮かんだ。
…だめだ、分からない。
そもそもあれが前世なのかもわからないし。
けれど、考えても無駄だとは思わなかった。
いつもの私なら大概ここらへんで考えることを断念するのだけど、なぜかそれはしてはいけないような気がした。
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作者名:ナノカ | 作者ホームページ:
作成日時:2020年3月31日 19時