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さっき自分で彼の手を引き止めたというのに、そんな彼の表情を見ていると恥ずかしくなって私は思わず手を引っ込めようとした。
すると今度は逆に、離れようとする私の手をジョングクはキュッと握って引き止めた。
JK「…手、もう離しますか？」
そしてあの大きな目で私を伺うように覗き込んだ。
彼は私に繋いだ手を離すか、離さないか。
その選択権を与えてくれているように見せかけているけれど、彼のその言葉は『まだ離さないよね』そんな確認でしかなかった。
「…あの、うん。まだ離さないです」
顔を赤くしてそういう私に、彼は満足そうに笑って繋がれた私の手を何度か軽く握ってみせた。
そして繋がれたその手はジョングクと別れるまでずっと繋いだままだった。
…いや、恐るべしチョンジョングク。
思い出すとまた恥ずかしさが込み上げてきて、まだ浸かっていた湯船のお湯で顔をパシャパシャっと洗って誤魔化した。
ジョングクに会ってから、ずっと彼のペースに飲み込まれてばっかりだった。けれどそれが嫌だと感じることなんて一瞬たりともなかった。
でもそんなことよりとりあえず私が忘れている大事なこと思い出さなきゃだな…
そう思ったところでそろそろのぼせていた身体を湯船から上げた。
お風呂でしっかり温まったからだろうか。
お風呂を出たあと猛烈な眠気が襲ってきて、私はベッドに入るとすぐに目を閉じた。
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作者名：ナノカ
| 作者ホームページ：
作成日時：2020年3月31日 19時
