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昔ばなしページ30

V side

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V「A入るよー」

LN「ん、」

久々に入ったAの部屋。
こんなに殺風景だったっけ。
こんな所にずっといるとそりゃ、ネガティブ思考になっちゃうな。

V「痩せたな」

LN「はは…みんなに言われる」

V「練習生の頃、あんなに体重減らすの大変だったのに、
いとも簡単に痩せちゃって」

LN「人間って食べなきゃすぐに痩せるみたい、」

あの頃は断食なんて有り得なかったけど。

そうやって笑ったAの表情が悲しくて儚くて、
空元気なんだってすぐに分かった。

V「覚えてる？昔はよく体重管理で叱られたじゃん。
でもこっそりジミナと3人でチキン食べて、ジミナだけ体重が増えちゃって叱られてたよね」

LN「あの時ジミナには申し訳なかったけど、私たち2人でめちゃくちゃ笑ったな〜」

あの時のことは今でも思い出すだけで笑える。
必死に練習した分、よく隠れて何か食べてたっけ。
ジミナは顔が浮腫みやすいのか、いつも先生達にバレていた。

LN「あー、懐かしい。あの頃に戻りたいような戻りたくないような」

V「俺は絶対に戻りたくないけどね」

LN「そうだよね。練習生に戻りたいなんて思う人普通はいないよ。

でもデビューしたのにこんなに辛いなんて思わなかった…
昨日ユンギさんに結構怒られたんだよね(笑)」

ぽつり、Aが少しずつ話し出した。

LN「女だからって色々言われるの嫌なくせに、
自分で自分をそうやって追い込んでるんだって。
でも、女だから襲われたし女だっていう事実は変わらないじゃん」

V「うん、」

LN「私がいなくても成り立っていくだろうし、
辞めるなら本当に今しかないと思うし、今更復帰したってまた邪魔になるだけなんだよ」

V「ん、」

LN「辞めたいけど、正直辞める自信すらない…もう、こんな自分が嫌で嫌で、消えたい…」

こんなに本音を言うAを見るのは初めてだ。
今まで相当溜め込んできたんだろう。

V「消えたいって…死にたいってこと？」

LN「…うん」

V「あのさ、自分の事は自分が一番愛して甘やかしてあげないとだめなんじゃないの？
Aは誰よりも自分に厳しいからそういう甘えが嫌だって分かってるけど、でも、自分のことを一番理解できるのは自分でしょ！！」

だったら一番の理解者が理解して愛してあげないとだめなんだよ。