どうしようもない女

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それからしばらくして、
テヒョンが消えた。

かと思いきや一週間くらい経つとふらっと戻ってきたり、
会うたびに髪色が変わったり変なお土産を渡してきたりするようになった。


そんななか、


「A、母さんと一緒に死んでくれる？」



また母さんがいつものように変な事を言い出した。
せっかくの食卓が台無し。

こういうのを虚言癖って言うんだろうか。
いわゆるかまってちゃんてきな。

いつもはうまく流してたけど、私はもう変わる。



『次そういうこと言ったら私出て行くから』

「Aまで母さんを一人にするの？」



うるさいうるさい。
これ以上私を呪わないで。



『私がいなくても生きていけるでしょ！』



これ以上は耐えられなくて家を飛び出した。
母さんが何か言っていたけど、聞こえないふりをした。

はじめて、母さんに反抗しちゃった。
これでよかったのかな。
ちょっと言いすぎちゃったかも。

その辺フラフラして反省してから
うちに戻るために家路についた。



『母さん、さっきは…』



ごめんなさい。

そう言おうとリビングに入ると、
女の人が首を吊っていた。


あれ？
この人誰？
私の母さん？


え、違うよね？

だけど、ここは私の家なのは間違いない。
服装も髪型もさっきの母さんのまま。

気づいたら携帯を手に持って警察に連絡して、
それから暫くしてパトカーがやって来た。

色々警察の人に質問されたけど、
自分でもびっくりするくらい冷静に答えていた。


あれ、なんで私こんなに冷静なんだろう。
目の前で起きたことが信じられない時って、
人間こうなっちゃうの？


怖い、こわい、



私、一人になっちゃった。





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