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横になって、目を閉じると、ずっと黙っていた彼女が口を開いた。
「...寝るの?」
「うん」
「...」
「...」
スパでリフレッシュしたからか、すごく心地良い。
このまま本当に寝ちゃいそう。
「...」
「」
ギシッ
ベッドがより深く沈む。
「...帰るんでしょ?」
「...」
全然話さなくて、壊れた人形みたい。
「〜眠い、」
欠伸をしながら、もう一度問いかけた。
「帰らないの?」
「うん」
「ふふ」
言動が伴っていない事に面白くなる。
「...」
欠伸が止まらない。
本気で眠くなってきた。
うとうとしていると、ふいに手を掴まれる。
「ん?」
目があまり開かない状態で、彼女の方を向く。
「...」
「何?」
ベッドの端に腰掛けていた彼女は、
横になって、添い寝をする。
あえて、反対側を向いた。
その態度が不安になったのか、寄り添うように近づいてくるA。
さっきもこうして、岩盤浴で隣で寝ていたけど、今はお互いの間に隔たりがない。
「グク、」
「ん?」
名前を呼ばれた事に嬉しくて、振りかえると。
顔がいつもより近い位置にあって。
良い匂いが鼻をかすめる。
僕も近づいた。
嫌われないように、少しずつ距離を縮めていく。
視界にはお互いの顔しか映らない。
時々気まずいのか、顔を少し下に向ける。
優しく頬に触れる。
親指でむにむにすると、ちょっと!って怒られた。
その姿が可愛くて、つい笑みが零れてしまう。
そのまま親指を唇に移動する。
「ピアス開けてみる?」
そう言って、自分に付いてるピアスを舌で弄って見せた。
呼吸が少し浅くなったのを感じて、鼓動が早くなったことがわかる。
彼女の手をとって、同じように僕の唇に当てる。
お互いの指先で柔らかさを感じながら。
たまらなくなって、口付けた。
唇を離して、見つめ合う。
僕が頷くと、同じように首を縦に動かした。
それを合図に、瞳を閉じて、また口付けた。
end.
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作者名:あぽ | 作成日時:2023年7月7日 8時