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「あれ、王女様の顔、どっかで……」
ふと王女様を見た僕は、なんだか既視感を覚えた
どこかで会ったことのあるような
でもあんまり覚えていないのは、あまり親しい人ではないからなのか
どこだっけ
よく行くコンビニの店員さん？
それとも遠くの親戚とか
はたまた昔の同級生とか？
「わからん……」
思い出せない、なんとも言えない気持ちを抱えながら
王女様をじっと見つめてみる
「……」
不意にバチっと目が合った
距離は離れているけど、見つめた先の目がすごく澄んでいて
パチパチと瞬いたそれに、しばらく見惚れていた
そのうち王女様は隣に立つ男性を呼ぶ
「ユンギヒョンだ！」
王女様の隣に控えていた、色白で黒髪で
立っているだけで人の目を引くような出立ちのその男性はユンギヒョンで
スッとしゃがんで王女様に近づいて何かを話している
耳打ちされたユンギヒョンは一礼して歩き出し壇上を降りると
そのまま人を縫うように歩いて、まっすぐこちらへ向かって歩いてくる
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作者名：紫 | 作成日時：2022年9月6日 2時
