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JK「…A。」
「ジョング、っ…！」
名前を呼ばれたと同時にジョングク先輩に抱きしめられた。こうやって話すのはいつ振りだろう。
ふわっと香る爽やかな香りが懐かしくて、相変わらず大好きで。堪えていた涙は簡単に零れてしまった。
JK「…ごめん、すぐに気付いてやれなくてごめん。」
「…っ、ぅ……」
私の背中を優しくさすりながら、何度も何度も私に謝るジョングク先輩。
ジョングク先輩は何も悪くないのに…1ミリも悪いことなんてしてないのに。
JK「足、血が出てる…」
先輩はゆっくりと体を離すと、さっきスア先輩に踏みつけられた足を見て泣きそうな顔をする。
JK「…まずは、保健室に行こう。」
「…っ、きゃ…！」
JK「嘘ついたね、重いなんて。」
ジョングク先輩の手が背中と膝の裏に添えられて、そのままお姫様抱っこをされてしまった。
驚いて先輩に抱きつけば、先輩は優しい顔で笑っていた。
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YG「バレてたよ、お前の嘘なんか最初から。」
「…え、」
ユンギ先生は私の怪我の手当てをしながらそう口にする。膝には大きなガーゼが貼られた。
YG「教室で躓くだけじゃ、あんな怪我になんねーよ。もっとバレない嘘にしろ。」
「…うぅ、」
YG「…でも、誰かにやられてるなんてすぐに気付いてやれなくて悪かった。」
「…ユンギ、先生。」
また泣きだしてしまいそうな私に気づいたのか、隣に座っていたジョングク先輩が私の頭を撫でてくれる。
YG「はい、完了。もうひとりで抱え込むなよ。」
「…はいっ。」
私の返事に満足そうに頷いたユンギ先生は、ジョングク先輩に何かを告げると保健室を出て行ってしまった。
「先輩、ユンギ先生はなにを…」
JK「A」
「…！」
泣いてもいないのにジョングク先輩の手が私の頬に触れて、何度も何度も親指で頬を撫でる。
「…ジョングク先輩、」
JK「いっぱい泣かせてごめんな。」
「っ、ううん…そんなこと…」
JK「…傷つけてごめん。」
たくさんたくさん私に謝る先輩。謝らなきゃいけないのはジョングク先輩じゃなくて、私の方だよ。
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作者名：ぴぴ
| 作成日時：2020年5月23日 16時
