071【JM】 ページ21
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JM「え、あれって…」
朝、音楽を聞きながら登校していると数メートル先に見慣れた後ろ姿を見つける。
その隣には小さな女の子がいて、その後ろ姿にも見覚えがあった。
慌ててイヤホンをバックに詰めてふたりに駆け寄れば、ふたりは僕の顔を見て同じような顔をして驚いた。
JK「…っ、びっくりした、ジミナか。」
JM「…え、いや、え?」
視界にチラッと映る繋がれた手。
しかもいつも遅刻ばかりのジョングガが、こんなに早く学校に来るなんて衝撃でしかない。
JM「…なに、付き合ったの?」
僕がそう口にすれば、天使ちゃんはボッと一気に顔を赤くして。
隣のジョングガは数回瞬きすると口を開いた。
JK「ああ、付き合ってるよ。」
JM「……っ、ちょっとAちゃんごめんね。」
「…?」
JK「え、ちょ、何。」
天使ちゃんと繋いでいた手を離してもらって、ジョングガの肩に腕をまわす。
JM「え、なに、いつから?」
JK「昨日だけど。」
JM「お前、全然告白する感じじゃなかったじゃん…!」
JK「あー、なんか気づいたら口から出てた。」
じゃ、またあとで話すから。なんてジョングガに言われて肩にまわしていた手を離される。
JK「ごめん、A。」
「ううん、ジミン先輩はいいの…?」
JK「ああ、全然大丈夫。」
いや、親友の扱い酷くないか?
まあ、でも。
あんなに告白できないと奥手だったジョングガが、やっと好きな子と晴れて恋人になったというのは、親友からしても嬉しいもんだよ。
JM「じゃ、ジョングガあとでな。Aちゃんもまたね。」
「…わっ、!」
JK「っ、おいジミナ…!」
天使ちゃんの頭をポンポンと撫でて、足早にその場を去る。
天使ちゃんに触れた瞬間、一瞬でキレたジョングガに笑いが出る。
あんなに女嫌いのジョングガのことを好きにさせた天使ちゃんは、本当にすごい子なんだろうな。
JM「あー、リア充爆発しねえかなあ。」
そんなことを口にしてみるけど、ふたりが幸せなら僕も結構幸せかなって。
まあ、僕の前でイチャつくもんなら話は別だけどね。
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作者名:ぴぴ | 作成日時:2020年5月23日 16時