069【JK】 ページ19
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JK「…っ、と、とりあえず行こ。」
このままここで立ち止まってるわけにも行かないから、慌ててAの腕を引いて横断歩道を渡る。
待って待って、まじで待って。俺、絶対さっき口にしたよね？
「…せ、先輩、早いっ。」
JK「あ、あぁ…ごめん。」
動揺して歩くスピードがいつの間にか早くなってしまってて、Aが少し息を荒げながらそう口にした。
JK「……A、まだ時間ある？」
たとえ今さっき言うつもりが無かったとしても、口にしてしまったのは事実で。もう俺も覚悟を決めるしかない。
俺の言葉に、コクンと頷いたAの手を引いて帰り道の途中にある小さな公園に寄った。
「……あの、っ！？」
公園のベンチに腰掛けると、Aが口を開くから慌ててその唇に人差し指を押し当てる。驚いたAはまた顔を赤くして、ゆっくりと唇を噛んだ。
だって、ここから先は俺が言わないと。
JK「…俺の話、聞いてくれる？」
「…う、ん。」
Aの唇から手を離して、ゆっくりと口を開く。ああ、まじでどうしよ。今日でこうやってふたりきりで居られるのが最後になったらどうしよ。
いろんな考えが頭に浮かんできて不安になるけど、Aのこと誰にも取られたくないのは確かだから。
JK「Aの目に、俺ってどう映ってる？」
「…え、？」
俺からの唐突な質問に、考えるように少しだけ上を向くA。
「…ちょっぴり意地悪だけど、ジョングク先輩はとっても優しい人に見える、見えるというか本当に優しいよ。」
そう言って笑ってくれるAが愛おしくてたまらなくなる。
JK「…そっか、Aの目にそう映ってるなら良かった。でも俺、Aが思ってるような良い奴じゃないよ？」
「え？そんなこと…」
JK「俺、誰にでも優しいわけじゃない。どっちかって言うと、悪いやつ。」
「…嘘だ。」
ブンブンと首を横に振ってくれるAの手をそっと握る。なんで俺がAにだけ優しいかなんて、絶対その理由なんて分かってないでしょ？
まあ、そんなところが可愛くて仕方ないけど。
JK「…俺、好きな子にしか優しくしないよ。」
「…っ、」
JK「A、こっち向いて？」
ゆっくりとこっちに顔を向けて、俺のことを見つめる大きな瞳。
JK「俺、Aのことが好きだよ。」
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作者名：ぴぴ
| 作成日時：2020年5月23日 16時
