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「……っ、」
ジョングク先輩と別れてから、ずっと涙が止まらなかった。
嫌いだなんて一度も思ったことないのに、どうやってジョングク先輩と距離をとればいいのか分からなくて口から出てしまった言葉。
JN「おかえりー」
家に帰れば呑気なソクジンオッパの声で迎えられたけど、今は普通に返せそうにない。
急いで自分の部屋に入って、ベッドにドサッと倒れ込む。もう何もかも気力がなかった。
「…っ、ぅ……」
好き、なのに。ジョングク先輩のことが好きなのに。もう今までみたいに喋ることも会うことも出来ない。
私の日常からジョングク先輩を消さなきゃいけない。
「…やだっ……っ、」
胸が苦しくて辛くてこんなにも嫌なのに。
止まらない涙を手の甲で拭おうとした時、視界に入るガーゼ。怪我したところはすべて痛むけど、やっぱり1番痛いのは心だった。
「…っ、ジョングク…先輩っ……」
その名前をポツリと口にして、目をギュッと閉じた。
ジョングク先輩に出会う前の生活に戻るだけ。ただ、それだけ。ポロポロと零れる涙はもうそのままにして、私は自分に何度もそう言い聞かせた。
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どれだけたくさん泣いて疲れきっても、またすぐに次の日はやってくる。朝からパンパンに腫れた目を頑張って冷したけど、誤魔化せそうにはなかった。
YJ「…Aちゃん。」
「…おはよう、ヨンジュンくん。」
玄関の扉を開けると、私を待ってくれていたヨンジュンくんと目が合う。ヨンジュンくんは私の泣きはらした顔を見て、少しだけ目を見開いた。
YJ「話したくなったら、いつでも聞くからね。」
何があったのか無理に聞かずに、ヨンジュンくんはそれだけ言うと学校に向かって歩き始める。
ヨンジュンくんは、いつもどんな気持ちで私のそばにいてくれるのだろう。
私に告白してくれたあの日、私の頭の中に誰がいるのか知ってると言ったヨンジュンくん。
それなのに私は、ヨンジュンくんにジョングク先輩のこともたくさん相談に乗ってもらった。
「…ごめんね。」
ジョングク先輩のことが好きなのに、私のことを好きだと言ってくれるヨンジュンくんに甘えてばかりで。
そんな自分が本当に最低だと思った。
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作者名：ぴぴ
| 作成日時：2020年5月23日 16時
